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手軽に持ち運べるUSBポータブルハードディスクドライブ「VGP-UHDM25」。
250GB、オートロック機能&ワイヤレスキーでセキュリティも安心、反射して光るダイヤカット処理されたVAIOロゴデザインなど、こだわりの逸品である。
「VGP-UHDM25」の特長と共に、設計者と開発者から開発秘話を聞いた。
[開発者]
市川 宏行
全体がアルミ素材でないのは、セキュリティと使いやすさを考えた結果
ハードディスクドライブに求められる最大のポイントは、重要なデータを守ってくれる安心感。そのため、まず物理的な「堅牢性」にこだわりました。
安心して持ち運ぶことを考えると、衝撃をおさえる必要があります。そこで、外装ケースと内部のハードディスクドライブの間に、衝撃吸収に特化した素材を取り付けました。サイズや貼る位置は実際に落下をさせながら、重力センサーなどを使って衝撃の度合いを測りながら、貼り位置を決めていきました。実験回数は100回以上にも及びます。
堅牢性と使いやすさを考えた本体
「堅牢性」という観点から、全体をアルミで覆いたかったのが本音です。しかし、同時にFeliCa技術よるセキュリティも設計のポイントとしてあげていました。
全体を金属にしてしまうと、ワイヤレスキーを読み取るアンテナの感度が鈍くなり、反応しなくなってしまいます。
我々はデータの漏洩を防ぐため、セキュリティによる安心性を優先し、今の形になりました。
ワイヤレスキーをかざして、
ロックとその解除を行う
ワイヤレスキーには、クレジットカードにも使われているFeliCaの技術を応用
セキュリティについて、一般的なポータブルハードディスクドライブは、付属のソフトウェアなどを用いてパスワードをかけます。しかし、それではパソコン本体に依存してしまうところが大きくなります。複数のパソコンで使う場合、それぞれのパソコンにソフトウェアをインストールする必要があります。そこで「VGP-UHDM25」は、ソニーが開発したFeliCaの技術を応用したワイヤレスキーでロックをかけられるようにしました。
FeliCaの技術はEdyやSuicaなどのカードにも使われているので、お客様がお持ちのカード自体をセキュリティキーにする方法も検討しました。しかし、お客様へのサポートを考えると、本体とセキュリティキーを一緒にお預かりして修理する可能性が出てきます。そうなると、普段使っているカードもお預かりすることになるので、生活に支障がでることも考えられます。このような理由から、カード自体をキーにする方法は見送りました。
この製品には、セキュリティに対する信頼性が高く、馴染みのある使い方、それらを兼ね備えたワイヤレスキーを使用しています。
なお、ワイヤレスキーの本体への登録は簡単です。最初にパソコンに接続した状態でレジスト(登録)というボタンを押します。すると、青色LEDが点滅します。そうしたらワイヤレスキーをかざす。ワイヤレスキーは2つ付属しているので、それぞれを登録します。
1つめをかざすと青色LEDの点滅パターンが変わります。これは “1つめは登録できたから2つめをかざしてください”という点滅です。2つめをかざすとセキュリティがかかり、電源が自動的に落ちます。これで登録完了、ワイヤレスキーの登録は最初だけです。
次にUSBケーブルを差しこんだときには、セキュリティの解除を促す青色LEDが点滅します。そこで先ほど登録したワイヤレスキーのどちらかをかざすと、セキュリティが解除されて使用できるようになります。
互換性や持続性を含め、
安心して使える単三乾電池を採用
単三乾電池を採用した理由は、互換性や持続性も考えた結果でもある
もうひとつの技術的なこだわりに、単三乾電池の使用があります。実はUSBの国際規格で、パソコンのUSBポートから供給できる電力は決まっています。この規格によってUSB接続の互換性が保たれているのです。
しかし、ポータブルハードディスクドライブを起動させるには、USB経由のパソコンからの電力供給だけでは足りません。「VGP-UHDM25」はVAIOに限らず、安心して使用できることを前提にして作られています。それ以上の電力供給を行った場合、使用中に動作が不安定になったり、データが破損してしまうといったことにもなりかねません。
ですので、不足分を単三乾電池で補うことにしました。単三乾電池ならば、外出先であってもコンビニなどで手軽に入手することが可能です。また、互換性や持続性を考え、安心して使える単三乾電池を採用しました。以前は、ACアダプターを接続して電力を補う方法を採用したモデルもありましたが、それではポータブルの良さが失われてしまいます。
なお、乾電池には充電池(ニッケル水素充電池など)は使えないので、くれぐれも気をつけてください。充電池を使うと、アルカリ乾電池とは電圧特性が異なり、電池の終わり方が急激になってしまうため、電池残量のアラートが正常に動作しません。
[プロダクトプロデューサー]
大崎 仁規
“容量アップ”と“サイズ”と“価格”、この3つのバランスが大切だった
これまでのポータブルハードディスクドライブの容量は100GBでしたが、今回は250GBまでアップしました。400GBや500GBまで増やすという考えもありましたが、大容量にすると価格が高くなりすぎてしまう懸念がありました。
以前リリースしたモデルは4200回転(100GB)で、「ビジネスパーソンが仕事でデータをやりとりする」ことを前提として商品開発を行ったため、2.5インチで5400回転(250GB)がベストと判断しました。
また、本体サイズに関しては、1.8インチハードディスクの採用で小型化してはどうか、という意見もチーム内にはありましたが、1.8インチにすると記憶容量が小さくなってしまいます。「容量」「本体サイズ」「価格」のバランスが取れていたのが2.5インチ(250GB)だった、というわけです。
「パラレルATA」を「シリアルATA」へ変更、これが意外にも設計を悩ませることに
4200回転の100GBから5400回転の250GBへのHDD変更に伴って、設計も変更しました。前のモデルは「パラレルATA」と呼ばれるものでしたが、今回は「シリアルATA」を採用しました。
ただし、シリアルATA用に回路及び基板を作り替える必要があったので、電気的な観点から見ると新機種をつくるのに近いような作業が発生することになり、設計さんにはかなり苦労をかけました。
絶妙なバランスで
美しい光を放つ青色LED
試行錯誤を重ね、青色LEDの視認性やアルミの質感を高めていった
「容量アップ」、「セキュリティ」にこだわって開発していますが、もちろん「デザイン」にもこだわっています。
特に、青色LEDの見え方にはこだわりました。光が強すぎても気になるし、暗すぎると視認性が悪くなります。プラスチック部分の素材を透過性の低いものや、高いもので試作し、光の透過具合を何度もデザイナーとやりとりしてプラスチックの厚みを調整し、現在の見え方を実現しました。
試行錯誤の末、最適な色とヘアラインを実現
また、“VAIOらしさ”を演出するため、VAIOの雰囲気や世界観に合わせて、高級感のある質感になるようにこだわりました。アルミのケースひとつとっても、いくつもの試作品から最も質感の高いものを選んでいます。
質感の高さには秘密があります。1つめは、重厚感を出すために1枚のアルミを押し出して作っています。2つめに、このガンメタリックの様な色はアルマイト処理によって醸し出されるのですが、色を出すために、液体につけ込みます。この時間が数秒の差で違う色になってしまうため、デザイナーが納得するまで、何度も色出しを行いました。3つめは、色がよくてもヘアライン(金属の表面を髪の毛のような細いラインで研磨する方法)の深さや荒さのバランスが重要です。両方が最もいい具合になるまで何度も繰り返しました。
こだわり抜いたアルミの
ヘアラインとダイヤカットのVAIOロゴ
さらに、筐体の真ん中で輝いているVAIOのロゴにもこだわりがあります。これはアルミの上に貼り付けているわけではなく、裏からアルミの板をVAIOロゴの形に押し上げて、その表面をダイヤを使った研磨機で研磨しています。一方向に磨いているので、よく見ると細かい線が一定方向に綺麗に出ているのがわかると思います。
また、サイドのパーツは、薄さを感じさせるのに一役買っています。デザイナーがこだわったのはスリムなイメージ。パソコンと接続するためのUSBケーブルもできるだけ細くして、そのイメージを表現しています。
VAIOロゴの入った、
丸い形のワイヤレスキー
ワイヤレスキーにもVAIOのロゴを入れ、
素材にもこだわった
ワイヤレスキーにもVAIOのロゴを入れました。材質や形状一つにしても、いかにワイヤレスキーの読み取りを行うプラスチックを傷つけず質感の高いものにするかを試行錯誤した結果、合皮で丸い形を採用しました。合皮ならアルミや鉄と違い、FeliCaの電波を遮断することはありませんし、プラスチックも傷つけず、見た目の質感も申し分ありません。
丸い形はキーホルダーやキーケースに付けても違和感がありません。最近は、社内でネックストラップを下げている方も多いと考え、そこにつけてもらうことも考えました。逆に言うと、このような利用シーンに似合うデザインを目指したということです。
VAIOアクセサリーとしてではなく、ひとつの独立した商品として見てほしい
一般的なポータブルハードディスクドライブならば、ユーザーはVAIOを選ぶ必要はありません。VAIOのロゴを冠するものとして、クオリティや妥協してはいけない部分を突き詰めていった結果、このように細部までこだわった製品になりました。
「デザイン」「容量アップ」「セキュリティ」と全ての点でこだわり抜いたのも、「安心」して使ってもらいたからこそ。データを安心して持ち運んでもらいたいという思いからなのです。
乾電池による安定した動作での「安心」。堅牢性を高めることによる持ち運びの「安心」。そして、強固なセキュリティにより、万が一紛失しても「安心」。
機能だけ、デザインだけにこだわったものは他社にもあります。しかし、「VGP-UHDM25」はデザインにも、機能にも、セキュリティにもこだわりました。全てを網羅したという点において、非常に特徴的な製品になりました。VAIOのアクセサリーとしてだけではなく、ぜひ、独立した商品としても見ていただきたいです。
本革を使用したポーチは、
落下を防ぐ工夫が施されたベルトつき
「VGP-UHDM25」のもう一つのこだわりとして、付属のレザーポーチがあります。高級感のある本革を使用しており、全く同じものは存在しません。また、使い込むことで自分色になじんでいくところは、十分に所有欲を満たしてくれるはずです。
もちろん機能面にもこだわりました。まずは、ポーチから本体を出さなくても、USB接続が可能。また、レザーポーチからの脱落予防のために、しっかりとしたホールド感を出し、本体にジャストフィットするサイズに仕上げています。ベルト部分にも工夫を施しました。先端に厚みをもたせ、ループから外れにくくすることで、ポーチから本体の落下を防ぎます。
長く使うことを考え、
縫製にもこだわった
また、縫製にもこだわりました。革らしさを出すために、端を切りっぱなしにする仕上げの案もありました。しかし、使っていくうちに革の端がめくれ上がってしまい、磨耗してしまいます。よって、長持ちさせるために、革の端を内側に織り込む方法を採用しました。その結果、デザイン的にも高級感に一役買いました。
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