

赤塚:VAIOのBluetoothレーザーマウスには、スリムな流線型のデザインが特徴的な「VGP-BMS33」、非接触充電式の「VGP-BMS77」といったラインアップがあります。
Bluetoothレーザーマウスの最大の特長は、本体にBluetooth機能を搭載したVAIOであれば、ワイヤレスレシーバーなどを利用しなくても簡単にマウスと通信を行うことができる点です。ケーブルがないので、デスクの上でもスッキリとスマート使うことができます。また、PCと離れた場所からでも操作することができるので、プレゼンなどの際にも便利です。
青木:そんなBluetoothレーザーマウスですが、お客様からは「VAIOノートと一緒に持ち運べる、モバイル向けのBluetoothレーザーマウスが欲しい」という声が多く寄せられていました。
「VGP-BMS33」はスリムなデザインだったため、出張などでカバンに入れて持ち運ぶ際にも邪魔にならず好評でした。しかし、「もう一歩、持ち運びに最適で使いやすいマウスが作れないか」という声を受けて企画されたのが「VGP-BMS10」だったのです。
赤塚:開発コンセプトは“モバイルマウス”ではなく“キャリングマウス”です。モバイルというと一般的に“小さい・薄い・軽い”を追求したものというイメージが強いのですが、我々が作りたかったのは“最小のマウス”ではありませんでした。
小さいだけではそのうちに使わなくなってしまうケースが多く、それではダメだと考えました。そうではなく“持ち運びを考えた形状で、なおかつ手にフィットしてデスクでも十分に使いやすいマウス”を目指しました。


使いやすさの条件を、さまざまな角度から考察したコンセプトシートの中の1枚。
赤塚:開発に先立って、まず使いやすいマウスの条件をさまざまな角度から考え、方向性を固めてからデザイナーに渡しました。
いろいろなマウスを集めて、実際に使い心地のよいものを分析してみると、左右のボタンの位置や幅、マウス本体の長さ、握る際のグリップ幅やグリップ位置、ヒップ(マウスのお尻の部分)などで共通のポイントが浮かびあがりました。
ヒップを例に挙げると、ここは手のひらに当たる箇所になり、形状次第で握ったときにユーザーに落ち着きを与えることができます。
逆にヒップの形状がよくなかったり、指先だけでマウスの先の方を握るようなデザインだと、フラフラして安定感がなくなってしまうので、別の部分で握ったときの安定感を生み出す必要があります。
マウスとしての“握り心地”をどう作るかが、設計におけるカギになりました。

約70個のモックアップを試作し、優れた使い心地とシンプルなデザインを追求した。
青木:デザインするにあたってどうしても譲れなかったのは“優れた使い心地でありながらもシンプルなデザインにしたい”ことでした。
手にフィットさせようとすると、複雑な曲面を使ったデザインになりがちなのですが、あまりに手に馴染せる事を目指すと、ある手の形ではフィットするが別の手の形ではフィットしない、ということになりかねません。
また、VAIOのデザインであることを考えた場合に、モノとしての魅力を備えたものに仕上げたいという思いもあり、六角形の鉛筆のようにシンプルで使いやすく、永遠に古びないような普遍的な形状をしたデザインを目指しました。
そのために、まずはたくさんアイデアを出してスケッチにしてみました。持ち運びたくなるような要素を持ったマウスとは何かを考え、実際に約70個ものモックアップを試作して検証しました。中には“カプセル式で、使うときにスポッと抜いてはめ替える”“使うときに本体が伸びる”といった、かなりユニークなものも考えました。
そんな中で生まれたのがスライド式のカバーを備え、持ち運ぶときにはボタンやホイールなどの大切な部分を保護してくれるデザインだったのです。


カバーを閉じるとボタンとホイールが隠れるので、持ち運び中に誤動作の心配もない。

カバーの開閉で電源のオン/オフが切り替わり、あらゆる部分で使いやすさに配慮。
赤塚:「VGP-BMS10」の特長は優れた携帯性にあります。スライド式カバーを備え、カバーを閉じるとボタンとホイールが完全に覆われた状態になります。これによって、携帯電話のようにそのままカバンのポケットにスッと入れることが可能です。
また、持ち運び中に落としてしまったり、カバンの中に入れている物とぶつかってしまった場合でも、ボタンとホイールが保護されていることで、なによりも誤操作を防ぐことができます。カバーがあることで、ノートPCといっしょにワンハンドで握って持ち歩くことができるのが魅力です。
青木:カバーを開けると電源オン、閉じると電源オフになります。そのため、いまから会議やプレゼンという時でも、カバーを開ければすぐに利用することができます。使い終わったら、カバーを閉じてサッと持ち歩けるので便利です。
デスクで作業しているときでも、利用しないときはカバーを閉じることで電源をオフになり、省電力にもつながります。カバーを閉じている状態は、離席していることを周囲の人に知らせるメッセージにもなります。
赤塚:マウスとしての使い心地という点では、何よりも握ったときのフィット感が優れている点に注目して欲しいですね。フィット感を高めて自然な手の形で使えるように、カバー式だけで20個以上のモックアップを作るなど、さまざまな試行錯誤をしました。
ボタンの大きさや本体の幅、手のひらに沿う滑らかな傾斜面、ヒップの角の適度な丸みなど、あらゆる部分を微調整した末の形状とサイズになっているので、ぜひ実際に触れて確かめてほしいですね。

気持ちよく手にフィットする絶妙なサイズと形状を実現。ホールド感に優れ、デスクでの作業にも快適に使える。

小さなホイールを使いやすくするため、ホイールの前後が溝になっている。これによって指のかかりが格段に向上。
青木:本体の幅は、さまざまな形状で試してみた結果、携帯電話と同等になりました。手で握りやすいサイズを追求した結果、偶然にもそこに落ち着いたのです。おそらく同じ「手で握るもの」としての共通項があるのかもしれませんね。
ボタンは、マウスを握ったときの人差し指と中指の自然な開き方に合うようにデザインしましたが、指の開く角度は個人差があります。そのため、ボタンの幅を大きくとったのですが、これによって小型のマウスでも使い勝手のよいものができたと自負しています。
赤塚:難しかったのはホイールの部分ですね。カバーに隠れるようにするためにはホイールのサイズを小さくしなければならないのですが、同時に使いやすさも確保する必要がありました。
「ホイールをタッチ式のものにすればいいじゃないか?」という意見もありましたが、使い勝手を考えたら物理的な車輪をまわす方式が心地いい。きちんとした感触のものにしたかったので、こだわりを押しとおして青木にデザインを頑張ってもらいました。
青木:小さなホイールを使いやすくすることを考えた結果、ホイールの前後に溝をつけるようなデザインになりました。この溝のおかげで指のかかりもよくなり、ホイールを回しやすくなっています。


シャープな仕上がりを求めて試作が繰り返されたアルミ素材のカバー。わずかな加工の違いで感触や質感が大きく変化する。
赤塚:持ち運びや使い心地の他に加えて、モノとしての質感にもこだわっています。スライド式のカバーにはヘアライン加工を施したアルミ素材を採用し、手ざわりがよくクールなデザインに仕上がりました。
形状にもこだわりがあったのでシャープさを前面に出したいと考えていたのですが、アルミの部品は加工が難しいため、理想的なラインを出すまでに試行錯誤を重ねました。
青木:ヘアライン加工を平面にかける場合は比較的容易ですが、曲面の場合はカーブに沿ってかけなければならず、とても難易度の高い作業になります。
しかし、苦労した甲斐もあってアルミの素材感が十分に引き出され、手に持ったときの感触がまったく違うものになりました。クールで高い質感は、所有する喜び・毎日使う喜びを与えてくれるはずです。

曲面に複数の板を組み合わせた独自のスライド機構。デジタルスチルカメラなどで採用されている機構をマウスでも採用した。

マウスの後部にある小さな穴はストラップのひもを通すためのもの。ストラップをつけることで手首にかけて持ち運べるようになる。
赤塚:カバーのスライド機構にもこだわりを投入しました。“反転バネ”という仕組みを採用し、オリジナルの機構を作成しています。この機構は複数の板を組み合わせて実現しているのですが、それぞれの板には曲率の正確さが求められる設計となり、調整が非常に大変でした。
このように、カバーを動かしたときの“シャキン”という気持ちよさを実現するためだけにもかなり贅沢な設計をしています。仕事をはじめるときも、カバーを開けることで「さあ、やるぞ」という心のスイッチが入りますよ。
青木:カバー以外でも、使い勝手を向上するためのちょっとした工夫を随所に盛り込んでいます。具体的には、持ち運び用のストラップをつける穴を用意している点、上部と前部の2方向に光るLEDを採用している点です。
従来のBluetoothレーザーマウスでは、ひとつのLEDが電池切れの時と本体とのコネクト時とで、どちらの状態でも光るようになっており、「光っている理由がわかりにくい」という声がありました。そこで今回は、LEDを上面、前面の2方向に光るようにしました。
使用時には上面の光だけを認識できるので、電池切れ表示との勘違いが少なくなります。積極的に持ち運んで使ってほしいからこそ、こういった細かい部分にも配慮しました。

青木:「VGP-BMS10」は、サッと持って、カバーを閉じて、ポケットに入れる…といった行為をスマートに行うことができます。使い心地のいいマウスを気持ちよく持ち歩けることに重点を置いてデザインしました。
シンプルな四角いデザインなのに、意外なほど握りやすいのも特長です。ソニー製品としての佇まいを大事にしながら、その中で握りやすさを追求しました。
従来の「VGP-BMS33」などのBluetoothレーザーマウスもシンプルでとてもよいデザインだったのですが、それを継承しながら新しいマウスとしての魅力を実現することができました。モバイルシーンでの利用はもちろん、デスク上でもどんどん使ってほしいです。
赤塚:使いやすいデザインを実現する手法として“エルゴノミクス(人間工学)”があります。もともとエルゴノミクスは人が使いやすい、心地よいと感じるサイズや寸法を統計的に数値化し、それを基に形状を決めて行く方法ですが、「VGP-BMS10」では沢山のモックを作りながら何人もの人に意見を聞いて形状を微調整しています。
一見シンプルな形状をしていますが、このような開発プロセスをふむことで、エルゴノミクス要素を含んだ使いやすい製品開発につながっています。モノとしての魅力を備えながらも使いやすさも併せ持った、VAIOらしいデザインといえるでしょう。
デザインはもちろんのこと、手に馴染む快適なマウスが欲しい方にも、ぜひ使ってほしいですね。
「ポイント2倍プレゼントキャンペーン」は当該商品の在庫がなくなり、キャンペーン期間中の入荷が未定のため、8月28日15時をもって終了しました。期間中のキャンペーン終了をお詫びいたします。
- 別売り関連製品Bluetooth USBアダプター「PCGA-BA1、BA1/A、PCGA-BA2」を接続したVAIOは対象外です。










