使うときには､ひろびろと広げて｡しまうときには､薄くたたんで｡扇子､屏風(びょうぶ)、番傘､そして風呂敷｡考えてみれば､日本で昔から使われてきた道具には､こうした知恵が生きているように思います｡使う､しまう､持ち運ぶ｡それは､ひとつひとつの動作にも作法を求めてきた私たちの美学なのかもしれません｡それでは､現代の生活道具として欠かせないものになってきたPCはどうでしょうか。メールを読む｡ネットで調べものをする｡テレビやＤＶＤまで楽しむ｡とくに映像コンテンツを考えると､ワイドな画面の方がやっぱり見やすいでしょう｡とはいえしまうときには部屋の一角にすっきり収まるほうがいい｡持ち歩くときには手にしっくり馴染(なじ)むほうがいい｡スリムも､私たちが自然に求めるカタチです｡PCの使いやすさを追求してきたバイオは､いま､WIDE＆SLIMというカタチに行き着きました。このカタチは､いわばバイオの主張です｡ホームノート､モバイルノート、テレビノート。どれであれ、これからのノートPCはWIDE＆SLIMというプロポーションになっていく｡そう考えています｡この春､バイオは｢WIDE＆SLIM派｣という言葉を掲げました｡使いやすい､よいカタチは､きっと受け継がれ､ひとつの流儀になっていくはず｡そんな思いを込めたかったからです｡道具としてのパフォーマンスを引き出すのは､きっとデザインだ､とバイオは信じます｡これからのPCには､生活道具としてのデザインが求められていくでしょう。でもそれだけでなく､この国が大切にしてきた使いやすく美しい道具が、私たちの身の回りにもっともっとふえていくといい。とバイオはひそかに思っています。