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開発者インタビュー / InsideVAIO VAIO Movies Story開発者に聞く
03 Technology
木村 光佑(ビデオコーデック技術担当) / 奥村 光男(GUI・テンプレートデザイン担当) / 保坂 尚(設計プロジェクトリーダー) / 番場 定道(商品企画担当)
豊富なテンプレートを用意することで、編集をする際に感じるあらゆるストレスをひとつひとつ取り除いていきました。
ただ、監督になれるソフトとは言っても、実際のアルゴリズムや下準備の設計は大変だ。なにしろこれまでに誰もやったことがないGUIとワークフローを、具現化しなければならないからである。そのあたりに、設計陣の苦労がある。再び、番場 氏、保坂氏、奥村氏、木村(光)氏に話を伺った。
内蔵されたコアテクノロジー
木村(光):UI的に辛い作業は、映像のシークです。AVCHDに関しては、簡易デコードという技術を使って画質を落としつつ、シークを早くするといったことをやっています。フル画面で表示しない、というところが工夫点ですね。
-そこはもう、PCのパワー次第ってところはありますよね。現在のCPUパワーでも、AVCHDをネイティブで扱うのは大変ですから。
奥村:プレビューの画面は、レスポンスの良い320×240ピクセルとしました。もっと高解像度で高画質にすることも可能でしたが、あくまでもプレビューなので、深追いはせずとにかく速く結果を見せることにフォーカスしました。プレビューにこだわるあまり、レスポンスを犠牲にすると、それこそ冒頭で番場が話した壁を自ら作ってしまうことになりますし。
プレビューは表示サイズの工夫により軽快なレスポンスを実現した。
-撮影した映像をテンプレートに当てはめる場合に、使いどころはランダムに選ばれるのでしょうか?
保坂:ただランダムに入れていくというわけではなくて、テンプレートのデータの中に、ここには人が映って欲しい部分とか、ここはむしろ風景が映って欲しいところとかというのが、カット一個一個に定義がされています。そしてユーザーの映像を解析した結果、人が映っていたらそれを優先的に割り当てる、という仕組みが入っています。
-ということは、VAIOの中に映像解析のエンジンが入っている?
保坂:VAIO コンテンツ解析マネージャーというのがVAIOのシステムの中に入っています。コンテンツを取りこんだときに、自動的に解析が始まります。顔の場所、人数、音の盛り上がり場所、など素材個々に特徴的な部分をマーキングしていくわけです。
番場:VAIO Movie Storyでは、映っている人数や音の盛り上がりのシーンを抽出するボタンを試験的に付けてあります。コンテンツの中で盛り上がっているところをピックアップするための、補助機能です。
解析の様子は確認もできる。
保坂:テンプレートによっていろいろ条件がありまして、例えば結婚式のテンプレートでは、最初入場から入ってスピーチと順番に並んでいて欲しいって言う要求もあるだろう、と。そういうものは、解析結果を使っての割り当ては、優先順位を下げたりしています。
-顔検出はサイバーショットや“ハンディカム”などでも使われていますよね。
保坂:抽出以外にも、映像を動かす際にも利用しています。例えば縦撮りした写真などは、画面にフィットさせるために拡大するわけですが、そのままだと大抵は顔が上の方にあるので、フレームアウトしてしまいますよね。その場合は、顔の部分がフレームに入るように画面の中に当て込むといった動きをします。動画の場合でも、テンプレートによってはズーミングするとか、半分に寄せたりする場合もありますし、結構重要な技術ですね。
-これらのテンプレートは、将来的に増やせるようにできているのでしょうか?
番場:テンプレートは36個あるので、多くのシーンで活用していただけると思います。ですがいつまでもそれだけではどうしても飽きが来てしまうので、こちらから追加データを提供できないか模索しています。
奥村:一個一個の作り込みをすごく時間をかけてやっていて、エフェクトも既存の何かのバリエーションではなく新規に制作しました。星をきらきらさせるためにも、デザイン側でビットマップを用意するんですけど、設計では新たにそれをエフェクトとして作って、組み込まなくちゃいけないわけです。ですからこちらで作ったものがそのまま反映されるとか、PNGの連番がそのまま反映されるというものじゃない。トランジションとかパーティクルとか、全部エフェクトとして新規に作るという、作り込みをしてきました。
テンプレートの開発時にひとつひとつずつ絵コンテを準備した。
絵コンテの再現には開発スタッフ各々が手慣れたアプリケーションを使うケースもあった。
04 Enjoy Movie
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