「外からVAIO Media」はhttpsの暗号化機能は利用しているが、認証機能は独自の認証方式を採用している。認証まで含めた全てのセキュリティ機能をhttpsプロトコルで行うと、実際にユーザーが使用するまでの準備が非常に多くなってしまうからである。
そこで、「外からVAIO Media」を、ホームネットワークの延長という形でもっと簡単に利用できるようにし、同時にセキュリティも確実に確保するための方法として採用されたのが、クライアントのハードウェア固有の情報を元に認証鍵を作成する、機器認証方式である。
「機器認証というと、無線LANのアクセスポイントが接続可能なクライアントを制限するMACアドレス認証が有名で、VAIO Mediaでも、ホームネットワーク内部では同じ方式を使っています。しかし、ルーターで隔離されたホームネットワーク内ならともかく、インターネット上での認証にはセキュリティ的には不十分です。実際にどういう情報を利用しているのかは、詳しくお話しすることはできませんが、最初に一度だけ機器登録を行うと、クライアントとサーバーの双方にコピー不可能な固有の鍵が生成され、未登録のクライアントからは利用できません。登録したクライアントからしか利用できない、セキュアな環境を実現できます」(馬場)
機器認証を採用したVAIO Mediaは、外部からのアクセスの際にユーザー名やパスワードを入力する必要がなく、ホームネットワークと同等の感覚で利用することができる。

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だが機器認証方式を採用した最大の理由は他にある。ユーザー名とパスワードを使う個人認証の場合、パスワードが第三者に漏洩してしまい、万一それがどこかの掲示板に書き込まれたりすれば、不特定多数にサーバーのコンテンツを公開することになり、深刻な著作権侵害を引き起こす可能性もある。機器認証なら、そういう心配がなくなるのだ。
ソニーが開発した機器認証方式は、MACアドレスによる認証方式と比べて、第三者からの攻撃に対して比較にならないほど安全という。これをhttpsと組み合わせることで、広義のVPNと言うこともでき、一般的なVPNと比べても見劣りしない高いセキュリティを実現している。 |
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