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開発者インタビュー / InsideVAIO type R master 開発者に聞く
01 Concept
戒能 正純写真 画期的なツインユニット・コンセプトを採用しVAIO史上最大の拡張性を実現 戒能 正純(プロダクトプロデューサー)
Full HD動画や高解像度の静止画を快適に編集できる次世代のAVマシンを、ハイスペック&高級感溢れるデザインで追求しました。
拡張性・使い勝手・コンパクトさ―ツインユニットで3つの条件を満たす
「VAIO type R master」は"master"と名のとおり、最先端のハイスペックと、最大級の拡張性、優れた使い勝手、そしてオーナーを満足させる高級感を実現した1台だ。特に、本体が2つに分離・独立している、ツインユニット・コンセプトによって、デザインも大きく変わった。その意味ではまったく新しい形のAVマシンとして生まれ変わったといえる。Full HD、ブルーレイディスク、デジタル放送など、新しいテクノロジーが押し寄せてきた現在、PCをめぐる環境も大きく変わろうとしている。そんな、新時代にふさわしいPCの形とは、一体どのようなものなのか?
新type Rの開発コンセプトについて、プロダクトプロデューサーの戒能正純はこう語る。


戒能:従来のデスクトップPCといえば、タワー型、スリム型、横置きのデスクトップ型など、さまざまな形がありました。ですが、拡張性と使い勝手、コンパクトさなど、すべての条件を満たしていたかと問われると、どうなのでしょう。そこで、type R masterでは、より拡張性を持たせ、より使いやすく、そして可能なかぎり小さく……を目指しました。その結果、出てきたアイデアが、PCの本体を2つに分離させるという構成でした。私たちはこれを「ツインユニット・コンセプト」と名づけました。

「メインユニット」には、マザーボードとハードディスクやグラフィックボードなどの基本的な要素を詰め込みました。もうひとつの「アクセスユニット」には光学ドライブやメモリースティックなどのメモリーカード用のスロットを置きました。こうして、机の上でも下でも自由にPCを配置できる、レイアウトフリーな構成を考えたのです。その上、2つに分離したことで、個々のユニットをコンパクトにすることにも成功しています。

このような、設置上の自由度とともに、内部の増設についても非常に自由度が高くなっています。つまり、拡張性が高いのです。type R masterは、これまでのtype Rシリーズの中で最大限の拡張性を持っています。たとえば、メインユニットには4個のハードディスクが取りつけられますが、実はもう2個増設可能なスペースが用意されています。シリアルATAの電源も電源カバーの中に用意されていますし、P965チップセットはシリアルATAを6つ持っているので、マザーボード上にはシリアルATAのコネクタも2つ空きがあります。よって、type R masterはハードディスクを6台搭載できる実力があるんです。ただし、マザーボード上のシリアルATAのコネクタにアクセスするには、アクセスユニット接続用コネクタのある基板を外す必要があり、作業が複雑なのでカタログスペックとしては4台までとしました。また、314mmのフルサイズの拡張ボードも装着できます。最近のグラフィックボードは、PCIスロットを2段分必要なものもめずらしくないわけですが、そういうカードでも対応できますし、PCI Expressのスロットが2つあるので、ビデオカードの2枚差しも可能です。こうした使い方は保証外になるのですが、type Rシリーズのお客様には、そういう拡張を自力でされる方が多いのではないでしょうか。このように、最大限の拡張性を実現しているので、後から内部増設をしようとしたときに困らないような作りになっています。

また、AVというと動画だけに目がいきがちですが、静止画用途にも十分に配慮しています。最近はハイエンドのデジタルスチルカメラが人気です。特に、一眼レフ型のデジタルスチルカメラを購入して、高画質な静止画を楽しむ方が増えています。実は、ビデオ編集をする方は、デジタルスチルカメラも相当な性能の製品を使っていることが多いのです。当然、PCで処理するデータ量も大きくなります。ハードディスクがたくさん搭載できるということは、動画もたくさん保存できるわけですが、それは静止画でも同じこと。1000万画素レベルのデジタルスチルカメラではデータ量も相当になります。その点、ブルーレイディスクなら1枚で25GBものデータを保存できます。これは、DVDにして6枚分という膨大な記憶容量です。これだけあれば、RAWデータのままでも安心して保存できます。また、ハードディスクはミラーリング(データの二重化)されているので、1つのドライブがクラッシュしても安心です。動画にしろ静止画にしろ、二度と撮れない貴重なデータを守ります。

ところで、筐体が2つになるということは、開発の手間も2倍、いや正確にはそれ以上になるということです(笑)。また、ハイスペックを追求すればするほど、発熱や動作音が大きな問題になります。そのため、熱処理や静音性も重要な性能の1つ、それを含めたトータルな部分で、信頼性や高級感を実現するために、熱や音の問題にもこだわりました。今回のtype R masterは開発スタッフの頑張りによって、デザインはもちろん、こうした面でも優れた1台を実現できたと思います。
下にあるのがメインユニット。上はアクセスユニット。本体を2つに分離することで、作業スタイルにあわせて、ユーザーごとに最適な設置が可能になった。
 
光学ドライブ類を収めたアクセスユニット。高級オーディオ機器やビデオ編集機材などと並べても違和感のない、シンプルかつ高級感のあるデザインが特徴。
02 Design
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