本文へ

製品情報>“VAIO”>商品ラインアップ>開発者インタビュー>type Z 開発者に聞く>04 ハードウェア/SSD-RAID

type Z 開発者に聞く

04 Hardware
大塚 純 製品企画大塚 純 製品企画
渡部 学 キーボード設計渡部 学 キーボード設計
斉藤 謙次 機構設計リーダー斉藤 謙次 機構設計リーダー

VAIOの目指していた一体感を演出する
高級感についに到達

type Zのデザインは一体感を追及し高級感に溢れている。筐体、天板、キーボード、パームレスト、底面、あらゆるところにその思想は表現されている。VAIOの目指してきた頂点にやっとたどり着いたと言えよう。

ダイジェストムービー

アルミニウムやカーボンを使った高級感

type Zの高級感溢れるデザインを醸し出しているのは、一体感である。キーボードパネルは1枚のアルミニウムから成型されている。本体の底面は、1枚のカーボンを折り曲げている。従来、複数のパーツを組み合わせて構成していたところを、type Zでは1枚に集約して貼り合わせのないデザインを実現したのだ。

大塚は、type ZはVAIOの目指してきたデザインの集大成だと語る。

大塚: 貼り合わせのない一体感。それがVAIOの求めてきたことそのものです。type Zには、一体感を演出する最高の技術があらゆるところで凝縮されています。type T(VGN-TZシリーズ)でもここまでやりたかったのですが、当時の技術では無理でした。これまでの試行錯誤がtype Zで花開いたのです。しかし、この技術は非常に繊細なもの。キーボードパネルも、どこか一部をちょっとでも変えたら実現できないくらい繊細な金型で作られているのです。

一体感を演出する一例がキーボードパネルだ。キーボードパネルの素材はアルミニウムである。実は軽量化という観点からはアルミニウムは適切な素材とは言えない。重いのだ。アルミニウムを使うことは軽量化という目的に反する。

キーボードパネルの設計を担当した渡部 学は、アルミニウムを採用した理由を次のように語った。

渡部: 重くなるからといって、デザイン性を犠牲にするのはVAIOではありません。type Zではパームレストからキーボードフレームの部分まで一体になったデザインを採用しています。このデザインにアルミニウムの持つ高級感はぜひとも必要でした。

しかし、アルミニウムでパームレストを作るのはかなりの試行錯誤を要した。当初、デザイン担当からは押し出し(型の中にアルミニウムを入れて成型する)を使って成型という要望があった。キーボードパネルの両端部分のエッジ(「エッジ」とはキーボードのへりのこと)をきれいに処理するためだ。しかし、このサイズを押し出しで作ることは現時点での技術では非常に困難である。

渡部: 1/4サイズのキーボードパネルをいくつも作成し、テストを繰り返しました。結果的には、押し出しではなく、絞り(両面からプレスして成型)で作ることにしました。押し出しで作れという要望は、本質的にはエッジの部分をきれいにしたいということ。繰り返しテストを行い絞りでも満足のいくエッジが出せるようになったことと、絞りの方が軽量化が図れるからです。そして、デザインと強度を考慮して一番バランスの取れたところを探したのです。

普段は目に入らない底面にもVAIOらしいこだわりがこめられている。背面は軽さと強度を両立するカーボン素材で作られている。カーボン素材の難しさは曲げること。カーボンは伸びない材質なので曲げることが難しい。type Zでは背面が2カ所曲げた部分があるのだが、そこにもVAIOのノウハウが隠されている。

詳細画像

1枚のカーボン素材で作られた底面。カーボンを数ヶ所で曲げているのは、実は高度な技術だ。

詳細画像

左側にあるのが1/4サイズのキーボード。このようなミニチュアを何度も作り直してから、最適なキーボードを設計した。


音量だけでなく、耳障りな音を重点的に抑えた静音性

高級感を演出するもう一つは静音性だ。type Zでは、駆動音を下げるための新しい取り組みが試みられた。それは音量のみではなく、音質への挑戦である。従来静音性を追求するには、音量を減らすことに注力されていた。type Zで挑戦したのは、音質の改善だ。使用しているときに耳障りに感じる音を重点的に減らしたのである。

機構設計リーダーの齊藤は、音質を改善していく工夫を次のように語る

齋藤: アコースティックカメラという特殊な機材を使って、VAIOから出る音の周波数をテストし、どこからどのような質の音が出ているのかを特定しました。そうして耳障りな音を特定し、それを小さくすることに重点を置いて設計したのです。
例えばノートPCから熱を排出する風。これは側面の穴から斜め後ろに送り出すのですが、その穴のフィンを風の流れに沿うように斜めにしたのです。こういう細かい工夫によって、音の量だけでなく音質まで変えて、静音性を高めています。

詳細画像

横にある排熱穴は、風の流れに合わせて斜めに加工。これにより不快な音を軽減している。


HDDの約3.7倍の高速性を発揮するRAID構成のSSD

type ZはVAIOオーナーメードモデルでSSDが選択できる。SSDとはHDDの代わりとなる記憶デバイスで、読みこみの高速性とデータの堅牢性が特徴だ。HDDは回転する円盤にデータを書きこみ、読みこむしくみだ。駆動しているデバイスなので衝撃に弱い弱点がある。対してSSDは回転するような駆動部分がない。従って、駆動している最中に移動したり、多少の衝撃を与えたりしても、被害を受ける確率が低いのだ。

しかも、type Zでは、64GBのSSDを2枚搭載し、RAID 0(ストライピング)構成を選択することが可能だ。その場合は、一般のノート用HDDの約3.7倍もの高速な読み書きができる。(※ 当社の計測に基づく、2.5インチ5400回転/分のHDDとの比較時)
RAIDでは、2枚のSSDを1枚の128GBの容量に見せかけ、2枚に対して同時にアクセスする。したがって、1枚に比べて約2倍の性能を発揮できる。唯でさえ高速なSSDを惜しげもなくRAID構成にするからこそ叶えられる性能だ。

大塚は、RAID構成のSSDを用意したことに次のように語る。

大塚: SSDは値段が張りますが、現在考えられる最高のパフォーマンスを発揮できます。堅牢性も上がるので、電源を入れたままカバンに入れて、外に持ち出しても安心です。まさにtype Zの象徴的なコンフィグレーションといえるでしょう。

詳細画像

軽い上に衝撃に強く、高速なSSD。type Zでは、SSDを2枚使用してRAID 0(ストライピング)の構成を選択できる(VAIOオーナーメードモデル/法人向けカスタマイズモデル)。


03 Motherboard04 Hardware/SSD-RAID Hybrid Graphics
Inside VAIO  type Z | 04 Hardwar
ページトップへ