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製品情報>“VAIO”>商品ラインアップ>開発者インタビュー>Zシリーズ>03 モビリティー

Zシリーズ

03 モビリティー
軽量化、薄型化が生み出す
優美で洗練されたモビリティー。
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  • 01 コンセプト
  • 02 ハイパフォーマンス
  • 03 モビリティー
  • 04 機能美

性能を向上させながら、さらなる軽量化、薄型化を追求

―― VAIOといえばモバイルPCに強いというイメージがあります。今回のZシリーズは、VAIOのモバイルノートのフラッグシップモデル。開発にあたって意識したことはありますか。


原田:

旧Zシリーズも非常に好評でしたから、今回も「Zの名前にふさわしいものにしよう」「前よりもさらにいいものにしていこう」と考え、「さらに薄く軽く」を追求しました。でも正直いって、同時進行で進められている他のシリーズの開発も気になっていました。Zシリーズはフラッグシップなので、ほかには負けられないという意識がありますから。特にモバイル機種であるXシリーズやTシリーズには強くライバル意識を持ちました。とはいえ、XシリーズやTシリーズより上のパフォーマンスを実現しているので、それらより軽くすることは困難です。しかし、モビリティーという意味では、他の小型のVAIOをライバルとして意識することで、0.1gでも軽くする手法を模索し続けました。

―― 確かにXシリーズやTシリーズも同様にモビリティーを目指したPCですが、Zシリーズの追求するモビリティーはそれらとは異なりますね。


原田:

Xシリーズの話が出たので比較しますが、仮にZシリーズがXシリーズと同じ重さだったらどう思いますか? スピード、性能面では間違いなくZシリーズが上です。同じ重さであればパフォーマンスが上のほうを選ぶのが当然ではありませんか? 特にモバイルPCを仕事で使うかたであればそう思うはず。だから、私たちは「性能が上なのだから、多少重くてもしかたがない」とは考えません。「いかに性能を高めながら、極限の軽さと薄さを実現するか」を求めたのです。それがZシリーズの考えるモビリティーです。

―― 性能を向上させる方向で開発するなか、軽量化を図るのは難しいのではありませんか。


原田:

テクノロジーの進化で新しい技術が登場してきます。普通は機能が増えれば基板も大きくなります。にも関わらず、お客さまからはもっと軽く、もっと薄くという要望があります。今回ほど機能、性能を向上させながらも軽量化、薄型化を図るのが難しかったことはありませんでした。
もちろん従来からやっていた軽量化の手法はすべて取り入れました。そのうえで今回、考え方を変えて取り組んだのが部品点数の削減です。従来であれば、個々の部品を軽くするためにできるだけ小さくなるように設計をおこなってきましたが、今回は、ひとつの部品に複数の機能を持たせ部品の数を減らすように心掛けました。その結果、個々の部品サイズは大きくなりますが、全体としては部品点数が減り、軽量化につなげることができました。


笠井:

そうなんです。この手のPCの開発の場合、テクノロジーにばかり目が向かいますが、それを詰めこむ技術も重要なのです。単にチップを基板に載せればいいという話でもありません。衝撃に対する堅牢性、耐久性も重要です。これが実現できたのも、過去のVAIOの開発経験において、どうやれば基板のストレスを減らせるかを追求してきたノウハウの蓄積があるからです。


以前はメカ担当のひとりだったが、今回はメカプロジェクトリーダーとして参加した原田。
以前はメカ担当のひとりだったが、今回はメカプロジェクトリーダーとして参加した原田。
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機能と性能を向上させながらも、軽量化と薄型化を実現。
機能と性能を向上させながらも、軽量化と薄型化を実現。
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メンバーそれぞれ旧Zシリーズを自ら使いながら、体験をもとに改善ポイントを模索した。
メンバーそれぞれ旧Zシリーズを自ら使いながら、体験をもとに改善ポイントを模索した。
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手に馴染む軽さ、カバンに入れたときに感じるコンパクトさ

―― モビリティーという意味では、単純な重さだけでなく、デザイン性も重要ですね。


笠井:

重さには「手に持ったときの感覚」「カバンに入れたときの質量」の2つの面があります。つかんだときに手に馴染むデザインだと、実際の質量よりも軽く感じます。手に持って確認していただきたいのですが、本体が薄いために指先の付く場所が深くなって、かなり軽く感じるでしょう。カバンに入れるときは純粋に質量の問題になりますが、最軽量構成で約1.35kgの軽さを実現しました。また本体の厚みも旧Zシリーズよりも5mmほど薄くなっているので、カバンの入れやすさの面もさらに改善しています。

―― バッテリー駆動時間についてはいかがですか。特に実際に使用するシーンで使用時間が延びることをお客さまは期待しています。


高木:

私たちもカタログ値ではなく、実使用時間を延ばすことを重視し、これまでのVAIOで採用した技術をすべて搭載しました。実使用時間を延ばすには、ダイナミックな電力制御が必要です。特に効果があったのは、Tシリーズで搭載していた照度センサーで、新Zシリーズではさらに進化させています。

電力消費を抑えるのにもっとも効果があるのは液晶です。液晶の明るさを最大から1目盛、2目盛下げることで、かなり消費を抑えられます。しかしそれをお客さまがいちいち調整しなくてはいけないようでは定着しません。そこで照度センサーを使って明るさを自動的に調整するようにしました。このしくみはTシリーズですでに採用していますが、新Zシリーズではさらに進化させて照度センサーをバックライトキーボードの明るさ調整にも使用しています。これにより周囲が明るい環境下ではキートップを消灯させ、暗い環境下では点灯させるといったダイナミックな制御を実現しています。これらによって、輝度を最大のまま使用した場合と比較して、実使用時間が1割程度延びています。つまり、暗所でのユーザビリティーを高めると同時に、スタミナにも貢献しているわけです。


手にしたときに、より軽く感じるよう、デザイン面でも配慮されている。
手にしたときに、より軽く感じるよう、デザイン面でも配慮されている。
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カタログ値ではなく、実使用時間を延ばすことを重視し開発されたバッテリー。
カタログ値ではなく、実使用時間を延ばすことを重視し開発されたバッテリー。
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丸い印の部分が照度センサー。これが液晶パネルとキーボードの明るさを自動調整する。
丸い印の部分が照度センサー。これが液晶パネルとキーボードの明るさを自動調整する。
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