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InsideVAIO SonicStage Mastering Studio : 開発者に聞く
01 concept
寄り道が楽しくて楽しくて仕方ないソフトUI設計担当/野村雅則
知らない人にも使えるけれど、知っている人にとってはすごいソフトであることを実感してもらえる。そんなソフトを目指しました。寄り道したところには宝が埋まっているというか、寄り道が楽しくて仕方ないっていうソフトですね。
高機能を取り込む一方、誰でも簡単に使えるデザイナー/坂田純一郎
デザイン的に従来の音楽ソフトとはまったく違うアプローチはできないか、と考えていました。たとえばオーディオ的な高級感をどうだすかなど。高機能を盛り込む一方で、誰でも簡単に使えるようにするのには苦労しました。
元バンドマンやシンセ好きなど先鋭メンバーが集結
 SonicStage Mastering Studioの開発プロジェクトチームは2002年8月に偶然的にも音楽好きが集まり発足した。これまで、音楽統合ソフト「SonicStage」の画面デザインの実績からデザイナーだけは指名ということで、坂田が召集されていた。
 今回そのプロジェクトチームの主要メンバー5名に話を聞いたのだが、このインタビューを通じてお互いメンバー同士も知らなかった面白い事実が浮かび上がってきた。それは、ほぼ全員がレコーディング、シンセサイザ、シーケンサ、オーディオ……といったキーワードに関連する趣味の持ち主であり、プロもしくはセミプロであったりしたのだ。
 インタビューの中で、「DTMやレコーディングなど、この手の分野にもともと一番詳しかった方はどなたですか?」と質問した中で、全員が指名したのは畠中だった。
「私はYMO世代ということもあって、高校のころから機材にはいろいろ興味はありましたね。当時からアナログシンセなんかを集めたりしてましたが、今でも音遊びは続けています。休みの日にはこもれる状態になってます。あと趣味の範疇なんですが、曲作りや音楽仲間のアレンジとかを手伝ったりしています。


聴くのも楽しいですけど、好きな音を並べていくのもこの上ない幸せを感じますね。個人的にはシーケンサとしてCubase*やLogic*なんかを使っています」と、いきなりかなりハイエンドな、プロといった世界の話がでてきた。
 ほかの人はどうだろうと思い、その指名のデザイナーであるという坂田にプロフィールを聞いてみるとさらに驚いた。
「私、学生時代からバンド活動をしていて、プロの制作現場にもいたことがあるんですよ。ただ、当時からその中にいて、音楽の世界もデジタルにどんどん変わっていきました。自分でもPerformer*とかVision*といったソフトを使っていました。またスタジオでも従来使っていたアナログのテープではなくProTools*などが導入されたので、率先して使っていましたね」SonicStage Mastering Studioはデザインにかなり力が入ったソフトであったが、デザイナー自身がこれだけの経験をもった人物だったのだ。
* Cubase・Logic・Performer・Vision・ProTools :
いずれもプロの世界で御用達のソフトウェア。
プロジェクトリーダーはソニーのオーディオエンジニア
 ほかのメンバーはというと、この二人の話を聞いたあとだっただけに、みんな自分はぜんぜん経験がないといいつつも、やはりなんらかの過去はあったようだった。
 たとえば森田の場合、「高校のころにYAMAHAのDX7を買って使ってましたね。当時は宅録なんかをして遊んでいましたが、それ以降はさっぱりその世界からは足を洗ってたんで……」というし、野村も「MTRを使って生録は少しやってましたね。またシーケンサとかはシンセサイザの内蔵のものは使ってました。いちばん最初に買ったのはYAMAHAのV50というシンセサイザでした。その後RolandのJV1000を買って使ってましたが、その辺でちょっと挫折しちゃいましたね」とのこと。
 一方、プロジェクトリーダーの下吉はというと「いや、私だけは、そういう世界とは無縁で……。このプロジェクトメンバーにという話が来たときも、何でかなぁと思ったくらいですよ。まあ、会社に入社して以来、オーディオ関連の仕事はやってきたけど、音楽のクリエーション系はさっぱり知らない。


確かに興味はありましたけど。まあ、それなら私がやってみましょうかって、プロジェクトリーダーになっただけの話なんです」と話す。
 確かに自宅で趣味でというのとは違うが下吉の場合、それまで実務でオーディオのコア部分を開発してきた経歴を持っていたのだ。たとえば、今では世界中で使われているMD(MiniDisc)の圧縮フォーマットであるATRACやNet MDや音楽配信に使われている圧縮フォーマットのATARC3といったものの開発にも携わっている人物である。
 まあ、これだけのメンバーが揃えば、すごいものができあがっても不思議はない。状況を聞いて考えてみても、彼らのこうしたバックグラウンドを評価してメンバーが集められたわけでは決してなさそうだ。ただ、そんなスピリッツをもった人が自然に集まり、ソフト開発のプロジェクトが進んでいったということのようである。
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