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![]() プロジェクトが始まった時点では、本当にそんなソフトが期日までにできるのかとても不安でした。でも開発過程でアイデアが広がり、いい技術も取り込め、最終的には信じられないほどのチームワークと速度で完成しました。 |
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パソコンのプリインストールソフトというと、どうしてもオマケソフトというようなイメージを持ってしまうことが多い。しかしSonicStage Mastering Studioは、そうしたイメージとは大きく異なり、本当にプロのレコーディング、マスタリングの世界でそのまま使える実力を持ったソフトになっている。そのことはプロやハイエンドユーザーに以下のスペックを伝えればすぐにわかるはずだ。
この辺についてプラグイン担当の畠中は「このソフトに盛り込む要素技術のアイデアはいろいろありました。でも、エフェクトに関しては絶対に妥協したくなかったんです。そのため、社内の技術を利用するとともに、本当に良いものは社外からも技術を購入して搭載したいと思っていました。 ![]() ![]() |
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一方、社外としてはプロのマスタリングの世界で広く使われているイスラエルのWaves社のエフェクト。また、EDIROLの24bit/96kHzのUSBオーディオインターフェース、UA-5などだ。 とくにWavesの3つのエフェクトは、SonicStage Mastering Studioの目玉機能ともいうべきもので、このことひとつをとっても世間で大きな評判になっている。 Wavesのプラグインの中からL1、S1、Renaissance Bassの3つを選んだ理由について畠中は、「エフェクトには奇抜な効果を狙ったものとオーソドックスなものがあります。奇抜なものには色々な種類があるし、フリーウェアでも面白いものが数多く出ています。このソフトはVSTプラグインやDirectXプラグインを利用可能としていますから、興味のある人なら、それらを自由に組み込むことが可能です。だったら、マスタリングに必要なベーシックなものを厳選しようということで、この3つを選んだんですよ。 ![]() ![]() |
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こうした、外部との共同開発という面では難しいこともいろいろとあった。 「WavesやSony Oxfordなどを含め、エンジニア同士でいろいろとやり取りはしました。彼らはその世界で第一線のプロダクトを出しています。だからこそ高額なものになっているし、仕事に対する高い誇りをもっているんです。こちらから、バイオにプリインストールするソフトに搭載したいということを伝えても、最初はピンときてくれなかったんですよね」と畠中は振り返る。ほとんどのやりとりはメールだったとのことだが、ここには誇りと誇りのぶつかりあいがあり、本当に期日までにできるのかかなり不安にもなったそうだ。 「でも、Sony Oxfordのイコライザーを入れるというプランは最初はなかったんですよ。Wavesと交渉しはじめたのよりも、ずいぶん後になって出てきたものです。実は、これが偶然の産物というか、たまたま別件で会議に出向いたら、Sony Oxfordの人が来日していて、その場にいたんです。そこからとんとん拍子で話が進んで、搭載することになったんですよ」と下吉。 ![]() ![]() |
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最終的にはSonicStage Mastering Studioにおける非常に大きなポイントとなった各エフェクト。見た目にもカッコイイし、まさにプロの現場を彷彿させる雰囲気に仕上がっているが、実は最初からここまで狙っていたわけではなかった。 搭載するならWavesのエフェクトということで、早くからWaves社と交渉していたものの、なかなか話がまとまらなかったのだ。そのため、最悪、プラグインなしという状況を想定しながら、プロジェクトが進んでいったのだ。つまり、当初はエフェクト機能についてはメインには据えていなかったのだ。そして、結局、契約が決まらないまま、仕様を固める最終段階まで入ってしまったのである。 ところが、そうした時期が過ぎ、納期が差し迫った1月中旬に、Wavesとの契約が決まった。もうこの時点では、仕様変更など絶対にありえない時期だったので、とりあえず機能を搭載するだけのことが精一杯であった。でも、やはりプロジェクトメンバーの中からは「せっかくのWavesのエフェクトやSonyOxfordのエフェクトが入ったのにこれでは目立たなくてもったいない」という声が上がった。そして、時期的には不可能ではあったが、その思いはみんな共通でもあった。 「結局、デザイナー、エンジニアみんないっしょに1週間程で仕上げたんですよ。今思い返すと信じられないほどのパワーでしたね。普通、あそこまでのことってできないですから」と森田は振り返る。 ![]() ![]() |
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一方、SonicStage Mastering Studioのテクノロジーという中で、もうひとつ大切なのがSuper Bit Mappingだ。これはCDそのものを開発したソニーが作り出した技術で、マスタリング機材としては必須というもの。業務用の機材としては、200万円近くするそうだが、それがソフトの中の1機能として搭載されてしまったのだ。 この辺の経緯について下吉は「きっかけは私がSuper Bit Mappingの担当者と面識があったということからでしょうか。以前、近くで仕事をしていた時期があり、Super Bit Mappingを開発しているときから横で見ていました。だからどんなことができるもので、どんな人が作っているかもよく知っていたんです。まさか、こういう形で当時の経験が活きるとは思いませんでした」と話す。 だが、これまで門外不出といった感じのSuper Bit Mappingをソフトとして外に出してしまうことに社内的な問題はなかったんだろうか? 「これは社内的には問題にはなりませんでした。というよりも、『ぜひやろう!』という声が出てきたくらいですから。 ![]() ![]() |
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