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type R 開発者に聞く

03 Spec
最新型プラットフォーム「インテル Centrino 2 プロセッサー・テクノロジー」の能力を極限まで引き出したパフォーマンス
花村 英樹機構設計
藤井 康隆ソフトウェア設計
笠井 貴光電気設計

モバイルPCでもブルーレイを快適に再生する、これを実現するのは容易なことではなかった。プラットフォームには最新の「インテル Centrino 2 プロセッサー・テクノロジー」を採用し、その機能を最大限に引き出した。またモバイルPCでブルーレイとSSDを両立したのも世界初の試みである。新type Tには他にも多くの世界初のテクノロジーが満載されている。


基準はブルーレイディスクを快適に楽しめる性能

新type Tに求められたパフォーマンスの絶対条件はブルーレイの映像が快適に楽しめることだった。そのためにプラットフォームは最新型の「インテル Centrino 2 プロセッサー・テクノロジー」を採用した。その結果、ブルーレイもWindows Vistaもサクサク走るモバイルPCが誕生したのである。電気設計を担当した笠井貴光は、パフォーマンス向上のために新たな取り組みに挑戦していた。

笠井: まずtype T(VGN-TZシリーズ)から大きく進化したことにメモリースロットが2つに増えたことが上げられます。これはデュアルチャンネルに対応するためです。デュアルチャンネルは、帯域が倍になるために転送速度が高速になります。BD再生時の膨大なデータ量を処理するためには、2スロットを搭載し、その帯域を確保することが必須でした。 またメモリーの規格もDDR2-533と同等な消費電力で高速なDDR3-800を採用しました。こうして消費電力を抑えつつ、Centrino 2の持つポテンシャルを最大限に生かしています。その結果、B5サイズの省電力を重視したモバイルPCでありながら、Windows Vistaも非常に快適に動作するようになりました。

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大幅に部品が増えても、コンパクトさを維持したマザーボード。

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DDR3のメモリー。新type Tでは2枚同時装着が可能になった。


A4サイズの高性能ノートに匹敵するパフォーマンス

さらにHDDの代わりに、RAIDに対応したSSDを搭載可能。SSDの容量は最大で256GBである。SSDは軽量で衝撃にも強く、モバイルには最適なディスクだ。HDDモデルに比べてディスク性能が最大で約6.1倍も向上する。256GBもの容量を搭載するのはモバイルPCとしては世界初である。

※当社の計測に基づく、1.8型 5400回転/分のHDDとの比較時

笠井: モバイルノートでは、大きさの制限と耐衝撃性の観点から同時にHDDを2つ搭載できませんから、HDDではRAIDが構築できません。HDDに比べて薄型のSSDを搭載したからこそ実現可能になったのが、RAIDなのです。まさにA4サイズの高性能ノートに匹敵するパフォーマンスです。HDDモデルでもtype T(VGN-TZシリーズ)の4200回転/分のHDDに対して、5400回転/分のHDDを採用しているので、Windows Vistaも十分に快適に動くでしょうし、ハイビジョン映像も楽しめるでしょう。前モデルのtype T(VGN-TZシリーズ)から移行してもDDR3-800のデュアルチャンネルと合わせて十分速く感じるはずです。

新type TはSSDとブルーレイディスクドライブの両者を搭載することが可能になっている。これまた世界初のことである。ブルーレイディスクへの書きこみを実現するには、巨大な一時ファイルを作成する必要があるのだが、その一時ファイルがSSDの空き容量を超える可能性があるために、従来の他のSSD搭載モデルではブルーレイディスクドライブを搭載することが難しかったのだ。これはブルーレイを扱うソフトウェアを改良することで実現できたこと。ソフトウェアを担当した藤井康隆は次のように語る。

藤井: 新type Tでは、ブルーレイディスクへの書きこみソフトである「Click to Disc」などが作る一時ファイルの容量を半減しました。その結果、ブルーレイディスクドライブとSSDの両立が実現できたのです。ブルーレイの映像を体験したら、DVDへは戻りたくなくなるものです。

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高性能CPUや最新チップセットの搭載でブルーレイディスクの再生も容易にこなせる。


部品点数が大幅に増えてもコンパクトさを維持

新type Tでは機能を増やしたぶん、部品点数や配線も増えてしまった。にもかかわらず従来のtype Tと変わらないフットプリントを実現している。重さも従来モデルよりわずかに増えただけで、手に持った感触はむしろ軽くなったようにすら感じる。メカ担当の花村英樹は次のように語る。

そして全体的に色の統一感は強められている。特に「グレースゴールド」ではボディ全体がゴールドに統一され、キーボードはシルバーに、外部ディスプレイ出力端子まで白に変更されている。

花村: 新type Tでは、マザーボードの部品点数は約500点、配線も約1700本増えています。それでもコンパクトさを維持できるよう基板を10層構造で配線をして、従来の大きさに収めているのです。とはいえメカ担当としてはメモリースロットが増えたことが大きい壁になりました。そのため、全体の大きさには影響がないのですが、底面の一部でちょっとだけ厚みが増えてしまいました。そこを積極的に活用し、カーボンファイバーを3回曲げて堅牢性を強化し、かつ効率的に排熱するしくみを取り入れています。体積が増えてもその分をムダにしていません。

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角度の異なる2種類のファンを一体化。高い冷却効果と静音性を発揮する。

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3段に折り曲げられたカーボン製の底面。堅牢性も強化されている。


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