





フル1677万色が表示可能な[クリアソリッド液晶]、ノイズキャンセリング機能、新設計の「Sound Reality」など、新type Tには先進の技術が搭載された。これにより映像も音も最高級の品質を実現している。ブルーレイを満喫させる優れたAV機能が、これからのVAIOらしさの象徴だ。
液晶ディスプレイの美しさは従来のtype Tでも称賛されていたポイントである。しかし解像度の高いブルーレイの動画を再生する新type Tでは、より美しい液晶の品質が求められた。そこで採用されたのはtype Zにも搭載された新型の[クリアソリッド液晶]だった。周囲の映りこみを減少させつつ高いコントラストを表示する[クリアソリッド液晶]は、まさにブルーレイの映像を十二分に楽しめる品質である。液晶を担当した藤田清人は、新型の[クリアソリッド液晶]について次のように語る。
液晶テレビ並みの画質、色質になったといえます。NTSC比は100%(u’v’)を実現し、特に発色数はフル1677万色を実現しました。以前は26万色表示の液晶をディザリング処理し、疑似的に1619万色表示したものでしたが、新type Tでは独自のドライバーを新しく開発し、完全な1677万色を表示できるようになったのです。高色純度の液晶は、表示できる色域が広いため多階調表示のメリットもいきてきます。
応答速度も前モデルのtype T(VGN-TZシリーズ)と比較して数倍向上しています。動きの速いCG動画を再生しても気持ちよく見ることができます。テレビと違ってモバイルPCは近い距離で映像を見ることが多いと思いますが、映像のアラは目立ちにくいのではないでしょうか。
また、モバイルPCとして低消費電力にも注力しています。特にバックライトの消費電力は広色域を達成しつつも従来モデルよりも削減していて、照度センサーによる自動輝度調整とあわせると実使用時間の大幅な延長が期待できます。
新type Tのこだわりはサウンドにも大いに発揮されている。まず“ウォークマン”でも好評だったノイズキャンセリング機能を、PCで初めて搭載した。ノイズキャンセリングとは、周囲の雑音をマイクで拾って、その逆位相の周波数で雑音を抑え、クリアなサウンドを楽しむための機能である。オーディオを担当した更岡秀人は、この機能を搭載するのは長年の夢だったと語る。
個人的にもノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンや“ウォークマン”を使ってきて、「これはいい」と恩恵を実感していました。そしてPCにもこの機能がほしいと常々考えていたのです。迫力あるサウンドや映画のセリフは低音が多いのですが、飛行機や地下鉄のノイズも低音で、聞きたい音とノイズの周波数が近いのです。そのため迫力を楽しもう、あるいはセリフをよく聞こうとすると、通常のヘッドホンならボリュームを上げざるを得ません。しかしノイズキャンセリングは、周囲の低いノイズをよく抑えてくれるので、ボリュームを上げなくても聞きやすくなります。
ノイズキャンセリングは、再生時に邪魔なノイズを抑えてサウンドをクリアにする機能だが、SN比を上げてPCから出力する音質そのものを向上させるために搭載したのが、「Sound Reality」だ。この機能は以前からVAIOのデスクトップタイプやハイエンドノートタイプに搭載されていたもので、ユーザーの方からも「モバイルPCにもぜひ搭載してほしい」という要望の多いものだった。しかしチップの電力消費量が多く、新type Tのような小型のPCに搭載するのは難しいとされていた。
Sound Realityのチップを新たに設計し直したことで、電力消費量を大幅に低減することができました。それで新type Tに搭載することができたのです。ノイズキャンセリング機能と組み合わせて、非常にクリアで豊かなサウンドを楽しめるはずです。
AVの世界はいまハイビジョンへの勢いが強くなっています。そのために必要なのが、いい液晶、ブルーレイ、いいサウンドです。この3つは、AVを長年取り組んできたVAIOの得意分野で、3つが一体になって新しいVAIOらしさを作っていくのではないでしょうか。

