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開発者インタビュー / InsideVAIO type A 開発者に聞く
03 Hardware
  Full HDを実現するためのハードウェアへのこだわり 林 文祥(設計PM)/巣山剛志(設計PL)/西尾貴章(電気設計PL)
林/巣山/西尾写真
新規のデバイスをこれだけ入れたのは、VAIOの歴史の中でもこのマシンがはじめてだと思います。
Full HDを実現するための新規デバイスを満載
新しいtype Aには、ブルーレイディスクドライブをはじめ、17インチワイドHD液晶パネル、HDMI出力端子、デジタルTVチューナー、グラフィックスチップ、サウンドチップなど、Full HDを実現するために必要なデバイスが、数多く搭載されている。Full HDに対応した“録る・見る・残す”の技術について語る、開発者たちのこだわりの声に耳を傾けて欲しい。

林:今回の開発で一番大変だったのは、これらのデバイスのほとんどが新規のもので、type Aと同時進行の形で開発されたことでした。新規のデバイスをこれだけ入れたのは、VAIOの歴史の中でもこのマシンがはじめてだと思います。新規デバイスの開発が終わる頃に、type Aの開発が終わって出荷されるという感じでプロジェクトが走っていたので、開発スケジュールが非常に厳しかった。

今回は、Full HDということで多くのコストをかけて開発を行いました。また、コストだけでなくHDに対する愛情も、開発に携わったメンバー全員でたっぷりと投入しました。ただ単に、Full HDで出しましたというものにはしたくなかったからです。そういう作り手の情熱が表現された、完成度の高いマシンができた。開発をしながら、これほど「早く出したい」と思ったマシンは、いままでなかったぐらいです。私たちの興奮とHDの価値を、ユーザーの方にも感じて欲しいですね。使えば使うほど「やっぱりHDはこうでないとね!」というマシンが完成したと自負しています。

type Aの本体に重ねる形で撮影した基板。実際にこのような位置に配置されている。
高性能に加え冷却性能と静音化も高いレベルで実現
西尾:Full HDをサポートするために、CPU、メモリー、グラフィックアクセラレーターなどで最新のデバイスを採用し、高性能なハードウェアを実現しました。それに加えて、放熱設計やBIOSでのファン制御などによって、高いレベルの冷却性能と静音化を実現しています。というのも、いくら高性能なハードウェアを実現しても、ファンの音がうるさくては、せっかくのHDコンテンツが台無しになってしまうからです。すべての要素をバランスよく設計することで、オールインワンでのFull HD環境が実現できたのです。

このような中で、ブルーレイディスクの再生はCPUやグラフィックの負荷が特に高いため、放熱と騒音が大きな問題のひとつでした。高負荷動作にも対応できる高い冷却性能と静音性を両立させるためには、冷却ユニットの効率を最大限に高め、ファンをできる限り回転させないようにする必要がありました。そこで、冷却ユニットおよび吸気〜排気流路のための十分なスペースを確保することと、この流路に沿って発熱量の多い部品を効率よく配置して、基板の設計を行いました。

電気的な部品配置の制約が非常にたくさんあったのですが、冷却のためのスペースの確保と部品の配置を最優先に扱い、基板の形・デバイスサイズまでも工夫しながらレイアウトを検討しました。type Aは大きなボディの中に、非常に多くのデバイスを内蔵しているので、実は余分なスペースがほとんどないので、設計作業はかなり大変でした。しかし、こうした努力のおかげで、従来機種に比べて約-5dBA(弊社測定法による)近い静音化が実現できたのです。
開発中に試作された裸の状態のシステム。type Aの実機の中には、Full HDを実現するために、これだけのデバイスが隙間なく収められている。
新type Aのために専用のグラフィックスチップを用意
巣山:先ほどから「新しいtype Aでは、Full HD対応ゆえに新しいテクノロジーを満載した」という話が出ています。その代表はもちろんBlu-rayですが、実はグラフィックスチップやオーディオチップも、HD対応ということで新規デバイスを採用しています。グラフィックスチップは、type Aにあわせて特別に準備してもらった「NVIDIA GeForce Go 7600シリーズ」。「NVIDIA GeForce Go 7600 GT」を最高峰に2種類を用意し、グラフィックス・コントローラの性能を100%引き出すために、GDDR3 SDRAMのビデオメモリーを搭載しています。旧type Aに搭載されていたグラフィックスチップに比べて大幅な性能アップで、より滑らかで美しいFull HDの映像表現を実現しています。

もちろん、ノートの“顔”である液晶ディスプレイも、Full HD映像にとって重要なアイテムです。解像度こそ旧type Aと同等ですが、新しいtype Aでは、色再現性を45%から72%へと向上し、高品位な映像を余すことなく楽しんでいただけるようにLCD開発を進めました。また、薄型・軽量化にもチャレンジしています。旧type Aでは、厚さ約10mmのパネルを使用していたのですが、新しいtype Aは厚さ約7 mmと薄型化を実現しています。

新しいtype Aでは、この他にもHDMI、High Quality Audioなどなど、ここに書ききれない、数々の新しいデバイスを投入しています。中には世界初、という仕様もあります。開発チーム全員の熱い思いがひとつになり、Full HDで“録る・見る・残す”ことができる「High quality all in one」ができました。HDの素晴らしさは、誰が見ても理屈抜きで、ひと目でわかりますよね。家電店の店頭で「HDR-HCシリーズ」「BRAVIA」のデモをやっていますが、それを見たときに誰もが「こんなにキレイなんだ!」と感動していただけると思います。Full HDの素晴らしさを 新しいtype Aで存分に堪能してください。また是非とも「HDR-HCシリーズ」「BRAVIA」との組み合わせで、Full HD Worldの感動を体験して欲しいですね。
左が旧type Aに搭載された液晶パネル、右が新type Aに搭載された液晶パネル。ともに17型ワイドだが、薄さが10mmから7mmになり、色再現性も45%から72%にアップした。
 
高性能を維持しながら、さらなる小型化を実現した、新開発の地デジのチューナーも搭載。受信感度が高く、隣接妨害にも強いのが特徴。
 
04 Software
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