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開発者インタビュー / InsideVAIO type A 開発者に聞く
05 Instant Mode
安彦剛志写真 HDコンテンツをハイクオリティーのまま記録できるBlu-ray 安彦剛志(VAIO Blu-ray Leader)
技術的に困難と言われたスリム型ブルーレイディスクドライブをノートPCでは世界で初めて搭載しました。
モバイルマシンにインスタントモードを導入した意味
今回のtype Aで最も注目すべきキーデバイスといえば、ノートPCで世界初搭載となるブルーレイディスクドライブをおいて他にはない。これによって、HDで“録る・見る・残す”のすべてに対応した“Full HDワールド”が現実のものとなった。このブルーレイディスクドライブは、ノートPC用に2年前から開発が進められてきたスリム型のものだ。この中には、一晩や二晩では語りつくせないほどの、さまざまな逸話や技術論がつまっている。その一端を、Blu-ray担当のエンジニアである安彦剛志に語ってもらった。

安彦:まず最初に「Blu-rayは何ができるのか?」という話をさせてください。いわゆるHDコンテンツを扱う次世代光ディスクとしては、HD DVDとBlu-rayの2つがあります。どこが違うのかというと、現在登場しているHD DVD搭載のPCではHDの再生しかできません。一方、今回新しいtype Aに搭載されたブルーレイディスクドライブは、BD-R/BD-REに対応しているため、再生だけでなくHDコンテンツを記録することも可能です。

もちろん、HD DVD搭載のPCでも将来はHDの再生だけでなく、記録も可能になると思いますが、そこでもうひとつ決定的な差があります。それはディスク容量です。今回のブルーレイディスクドライブでは2層50GBの容量までをサポートしており、地デジではそのままの画質で約5時間録画ができます。1層でも約2時間半と、サッカーの試合でも十分に記録できる容量を確保しています。

次世代の光ディスクは、最低限いまのDVDで可能なことを全部実現できなければダメなのではないか? つまり、HDで制作された映画のタイトルが再生できる。ビデオカメラで撮ったHD映像を編集してHDで光ディスクに記録することができる。地デジなどのハイビジョン放送をHDのまま光ディスクで残すことができる。もちろん、こうして作った光ディスクは他のHD対応プレーヤーでもキチンと再生できる……。これらが全部できてDVDの置き換えになるはずです。これをすべて実現したのが、今回のtype Aに搭載されているブルーレイディスクドライブというわけです。
言われなければ、CDやDVDドライブと勘違いしてしまうBlu-rayドライブ。ノートPC用に開発されたスリム型は世界初。Full HDの世界の入り口となるデバイスだ。
 
写真中央のレンズ部に注目。2つのレンズが搭載されている。上の青いレンズがCD/DVD、下がBlu-ray用だ。
 
高いハードルをクリアしてスリム型ブルーレイディスクドライブを実現
実は、メディアの仕様上の問題から「ノートPCに搭載するスリム型のブルーレイディスクドライブの開発は無理なのでは?」と言われていたこともあるほどです。光ディスクの場合、絞りレンズと呼ばれる部品からレーザー光線をメディアに照射して情報を読み書きするわけですが、Blu-rayはHD DVDに比べて大容量な分、照射するレーザー光線の絞りの角度が異なるため、レンズとメディア(の記録層)の間の距離が非常に短いのです。取り出し可能なリムーバブルメディアでありながら、レンズと記録層の間の距離がごくわずかで、それを均一に保つのが技術的に大変難しい。この辺はハードディスクのヘッドと記録面の距離をミクロン単位で制御するのとほとんど同じレベルの制御になります。この部分の高いハードルをクリアして実現したのが、今回のスリム型ブルーレイディスクドライブなのです。

一番喜んでいただけるのは、「HDR-HC1」や「HDR-HC3」などのデジタルハイビジョン“ハンディカム”をお使いになっている方だと思います。これまで、高画質で撮った映像をHDクオリティーのまま光ディスクに保存することができなかった。それが新しいtype AならPC上で自由自在に編集して、HDクオリティーのままでブルーレイディスクに記録できる。大切な思い出を色あせることなく残して、いつでもHDの高画質で再生できます。大画面テレビと同じで、最初は「そこまでは必要ない」と思っていても、ひとめ見た瞬間に「これは欲しい!」になる。ブルーレイディスクドライブ搭載のtype Aで、そんなFull HDの世界を存分に楽しんでいただきたいですね。
本体に冠されたBlu-rayのログマーク。論理フォーマットや著作権保護技術を含めて、従来のフォーマットから新しくなった。
まとめ
VAIOの歴史は、オーディオとビジュアルの楽しみを1台にとりまとめてカタチにして来た歴史だといえるだろう。ビジュアルで言えば、最初は静止画だけだったものがMPEG技術の搭載で動画に対応し、PCでテレビやビデオを楽しむのは当たり前という状況にまでなった。そして、いまや時代はより高画質なハイビジョン対応へと、大きく変わろうとしている。

長年に渡って追求してきた、感性や情感に訴えかける究極のオーディオ&ビジュアルを実現した、理想の1台。それが今回、VAIO type Aでひとつのカタチになった。もはや、ただのツールでない、新しいPCの姿。これからのVAIOのカタチがこれだ。ひと足お先の未来のオーディオ&ビジュアル環境である“Full HDワールド”を、ぜひ体験して欲しい。
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