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開発者インタビュー / InsideVAIO type A 開発者に聞く
04 software
北川智之写真 Full HD対応のマシンを制御するファームウェアの技術 北川智之(ソフトウェア設計PL)
多彩な出力デバイスを備えたハードウェアゆえに制御するファームウェアも複雑になりました。
多彩な出力デバイス+コンテンツ保護による制御
ハードウェアのパートでも述べたように、新しいtype Aには、ブルーレイディスクドライブやHDMIをはじめ、数多くの出力デバイスが搭載されている。それだけでなく、キーボード上部にはAVモードボタンやAV操作ボタン、左端にはショートカットボタンなど、さまざまなボタン類がついている。これらを制御するのがファームウェアを含むソフトウェアの仕事だ。type Aを「たくさんの手(デバイスやボタンなど)を持つマシン」と評するソフトウェア担当エンジニアの北川智之は、今回の仕事についてこう語る。

北川:type Aには液晶ディスプレイ、HDMI、Sビデオ……、とたくさんの出力デバイスがあります。これらは主に映像系の処理で使うわけですが、実はその制御をファームウェアとソフトウェアの密な連携で行っています。一気に全部のデバイスにデータを出力していい場合もあれば、ある場合は特定のデバイスだけに出力するとか、処理によって細かい制御が必要です。さらに、type Aではtype F(VGN-FE**)用のドッキングステーションである「VGP-PRFE1」に対応しているのですが、これにはDVI-D端子がついています。制御すべき出力デバイスがたくさんあると、それを制御するソフトウェアがどんどん複雑になり、すべてをキッチリと制御するのは大仕事となります。ある意味、20本ぐらい腕のあるロボットを開発するようなもので、作業によってどの腕をどう制御するのか? そういう意味では、ハードウェアのハードルも高い開発でしたが、ソフトウェアのハードルも非常に高かったですね。

もうひとつ HDを扱う上で避けて通れないものとして、コンテンツ保護の観点からの制御があります。新しいtype Aでは、ブルーレイディスクドライブや地上デジタルチューナーを搭載しているので、HDの美しい映像を17型のワイド液晶ディスプレイに表示することもできるし、「BRAVIA」のような外部の大画面テレビに出力して楽しむことも可能です。ただし、そのためにはコンテンツ保護をキチンとしなければなりません。地デジのコンテンツを内蔵のHDDに記録する場合はそのまま出力してもいいのですが、HDMIに出力する場合はコンテンツ保護をかける必要があるわけです。コンテンツ保護の規定を破ることは許されませんから、こうしたケアに配慮しながら、ユーザーが迷わず快適に使えるように、type Aの多彩な出力デバイスを制御しています。
本体の右側面に並ぶ、外部ディスプレイ出力、HDMI出力、S-ビデオ入出力、AV入力、i-LINKの端子。HDMIを使うことで「BRAVIA」などの大画面テレビと接続し、高画質のHD映像が楽しめる。
それから、テレビとBlu-rayの制御も大きなテーマのひとつでした。まず、テレビに関しては日本と海外で規格が違うわけですが、その違いをソフトウェアで吸収する必要があります。例えば、キーボード上部のチャンネル制御ボタンやRECボタンはそれぞれの地域のテレビアプリケーションで使用可能といったように、世界のさまざまな地域に対応したデバイスを、ひとつのソフトウェアで制御できるようにしました。一番神経を使ったのは、やはり地デジですね。地デジは日本だけのものですが、これをHD画質のままブルーレイディスクに録画できるのが、新しいtype Aの“売り”です。VAIOノートとしては初の地デジ搭載、ブルーレイディスクドライブ搭載となり、初物同士の組み合わせなので、試行錯誤しながら開発をしました。地デジのコンテンツをHDDに記録し、ブルーレイディスクドライブやDVDに保存する場合は、コピーではなくてムーブ(MOVE)をしなければなりません。これは失敗が許されない処理なので、開発を担当したチームが特に苦労した点です。
キーボード左側にはショートカットボタン、ボリュームボタン、ドライブイジェクトボタン、消音ボタン。
 
キーボード上部にはAVモードボタンやダイレクト操作ボタンを配置。オーディオ機器のような快適な操作性を実現。
 
充実のアプリで購入後すぐにFull HDの楽しさが体験できる
忘れてはならないのが、HDを楽しむためのアプリケーションソフトも、必要なものを一式用意したということです。買ってきてすぐに、HDの素晴らしい世界を楽しんでいただけるよう、多彩なHD対応アプリケーションを標準で搭載しています。映像系のアプリケーションソフトの多彩さという点では、デスクトップPCのVAIO type Rに匹敵すると思います。

具体的には、HD映像の取り込み用として「DVgate Plus」を搭載しています。これは、デジタルハイビジョン“ハンディカム”などからHD映像を取り込めるソニーオリジナルのソフトウェアです。また、また、取り込んだHD映像の編集用には「Adobe Premiere Elements 2.0」と「DigiOnSound 5 L.E. for VAIO」の2つを搭載しました。VAIO独自のプラグインとの連係により、さらに高度な映像表現やMPEGファイル、HDV1080i方式映像の編集などが可能です。

さらに、ブルーレイディスクへの書き込み用には「Ulead BD DiscRecorder for VAIO」や「Station TV Digital Disc Burning Extention」を搭載しています。これを使えば、デジタルハイビジョン“ハンディカム”で撮影したHD映像や、地デジで録画したコンテンツをもとに、自分だけのオリジナルブルーレイディスクが作成でき、「WinDVD BD for VAIO」で再生することが可能です。それから、HD映像ではなく、大容量のブルーレイディスクにPCのデータを記録するために「Roxio DigitalMedia SE 7」も搭載しました。これを使えば、ビジネスで使っている膨大なデータも1枚のブルーレイディスクに保存できるので、バックアップメディアとしても最適です。
05 Blu-ray
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