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これまでの常識からすると、まさに想定外の薄さの液晶ディスプレイを搭載したノートPCにかたちを与え、世に送り出す。そのために新type Tの開発チームに召集されたのが、VAIO C1、初代VAIO U、そしてPSPなどのデザインを手がけてきた、ベテランデザイナーの小笠原伸一だった。完成した超薄型液晶ディスプレイを持つマシンを手にしながら、小笠原は開発当初を振り返ってこう語る。 小笠原:新type Tは、極めて薄い、信じられないような薄さの液晶を搭載したマシンですが、デザインする上で一番の課題になったのは、キーボードやパームレストなどの、本体部分まで同じように薄くなるわけではないので、どのように調和させるかということでした。バランスが崩れてしまうと、魅力的に見えないからです。 そこで、極めて薄い液晶が調和して、ひとつのPCとしてまとまるようにするために生まれたのが、Gravity Joint Designというコンセプトです。 下側のパームレストのヒンジ部分に引力があるかのように、徐々にヒンジ部に向かって厚くなった本体に超薄型液晶がしっかりと均整がとれて支えられているたたずまいを狙っています。横から見るとヒンジ部分に量感のあるシルエットが特長です。 このデザインを実現するためには、下側の本体部分が初代type Tと同じように箱状になっていると調和しないので、ボトムの外周をそぎ落とすなど、形状をスリムにして薄く見せるための試行錯誤を何度もくり返しました。 そのために、37ものパターンから、ボディを最も薄くスリムにできる最適な部品レイアウトを選んだ。バッテリーも小さくなったように見えますが、実は初代type Tと同じ形状の部分を内側に納めているんです。それでいて、内容的には同じ機能の部品が入っている。非常に高密度な実装技術によって、さらに薄い新type Tの先鋭的なデザインが実現しました。 |
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外観だけでなく、キーボードやファンクションキー、そしてタッチパッドなど、実際にユーザーが操作する部分も、スッキリと見せるデザインにして統一感を出しつつ、細部まで徹底的に使い勝手を追求したという。その結果、液晶ディスプレイを開いたときに、開発陣のメンバーでさえ、思わずハッとして息を飲みこんだというほどの、機能美にあふれた新type Tができあがった。 小笠原:キーボードは、パームレストを基準にして堅い板をくり抜いたような明解なイメージで、ソリッド感を表現しています。使いやすさを徹底的に盛りこみながら、スッキリかつゆったり感のある、機能美と安心感を両立したデザインに仕上がったと思います。 また、全体的に硬質でメカニカルな表現の中で、いつも指で触っているタッチパッドは、柔らかいテクスチャーみたいなものを視覚的に表現したかったので、パッドの裏側から凹パターンを入れてソフトなアクセントを実現しました。 |
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初代type Tでは、本革製ステーショナリーをイメージしたミッドナイトブルーとバーガンディーブラウンを始めとした、4色のカラーバリエーションが好評だった。新type Tでは、そのカラーバリエーションをさらに進化させ、モバイルマシンに新しい魅力を加えている。 小笠原:新type Tでは、ブラック、ホワイト、そしてソニースタイル限定モデルとしてプレミアムブルーという3色のカラーバリエーションを用意しました。その中でスタンダードのカラーとなるのがブラックです。これは、シルバーとブラックのサンドイッチ構造になっているカラーリングで、本体が非常に薄く見えることを狙っています。 一方、ホワイトは軽快に見えて、男女を問わない優しい表現ということで用意しました。この場合は、ブラックのサンドイッチ構成とは考え方を変えて、全体が白いフォルムになるようにしています。 また、ソニースタイル限定のプレミアムブルーは、近づくと細かいカーボンの繊維が見えるデザインになっています。カーボン素材の上にブルーのクリアコートとパールを入れて、角度によっては紫っぽくも見えるというデザインです。今回のカラーバリエーションで特徴的なのは、内側のパームレスト部まで色を替えて明解に個性を表現していることです。 |