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開発者インタビュー / InsideVAIO type T 開発者に聞く
05 Instant Mode
藤井写真 新しい使い方の提案、インスタントモードで、モバイルマシンの可能性をさらに拡大!藤井(ソフト設計)
電源ONですぐにDVD、CD、デジタル写真を再生。
家電感覚の手軽さをソフトウェアで実現しました。
モバイルマシンにインスタントモードを導入した意味
新type Tは、モバイル性能を徹底的に追求するとともに、AV機能を誰でも手軽で簡単に楽しむための機能をあわせ持つ、いわば“2つの顔”を持つPCとなっている。そのために導入されたのが、「インスタントモード」と呼ばれるソフトウェアだ。シンプルな操作でコンテンツを楽しめるこの機能について、ソフト設計リーダーの藤井康隆はこう語る。

藤井:インスタントモードは、電源オフの状態でボタンをひと押しするだけで起動し、DVDの鑑賞やCDの音楽再生、そしてデジタルスチルカメラで撮影した写真が、簡単に楽しめる機能です。Windowsを起動することなく、メディアをセットするだけで、コンテンツが手軽に楽しめます。外出先はもちろん家庭の中でも、見たいときに映画・音楽・写真を楽しめる。新type Tが手軽な再生機になります。
インスタントモード自体は、すでにVAIOのAVモデルでもやっているので、何か新しい使い方の提案ができないかと考え、他社ではやっていないデジタル写真の再生機能を付加してみました。これによって、デジタルスチルカメラと新type Tを持ち歩いて、撮った写真を大画面で表示して、その場で楽しむことができます。新type TはメモリースティックだけでなくSDスロットも搭載しているので、メモリーカードをセットするだけで楽しめます。同じようにDVDもCDもセットするだけで、Windowsを起動しなくても簡単にコンテンツを楽しむことができます。
インスタントモードについては、以前からこういう使い方ができれば便利だろうと考えていました。実は、初代type TでDVDボタンをつけたところ、Windowsを起動しなくてもDVDが見られればいいという希望が多かったので、それならやってみようということでゴーサインが出たのです。
AVモードボタンを押すとわずか約12秒で瞬間起動する「インスタントモード」のメニュー画面。ここでDVD/CD/メモリーカードなどのメディアをセットすればすぐに楽しめる。
誰でもマニュアルレスで使える操作性と、起動時間の短縮を徹底追求
インスタントモードは、いつでもどこでも、誰でも簡単にDVD、CD、デジタル写真の再生をして、11.1型で16:9のワイド画面で楽しむことができる機能だ。そのためにこだわったのが操作性だという。

藤井:私の母親もそうですが、Windowsだと使い方がわからない。残念なことに、せっかくデジタルスチルカメラがあっても、それで撮った写真をパソコンで表示することができないのです。そこで、Windowsと同じようなことをやっても意味がないので、操作ボタンとカーソルキーだけで操作でき、マニュアルを読まなくても誰もが使える、わかりやすい操作性を追求しました。
具体的には、電源オフの状態でAVモードボタンを押すと、インスタントモードのメニュー画面が表示されます。ここでメディアを入れて、後はメニューから写真を選択すれば、何となく使えてしまう。そんな再生専用のプレイヤー感覚で使ってもらえるようになっています。機能を再生だけに絞ったことで、せっかく撮った写真を間違って消してしまうこともありません。
ユーザーインターフェースの使いやすさと、画面のデザインによる操作性に加えて、もうひとつこだわったのが、起動とシャットダウンの時間です。BIOSからの起動時間が、Windowsの場合は7〜8秒かかりますが、インスタントモードでは半分の4秒で起動します。高速起動のために新type Tのハードウェアにあわせてチューニングを施しました。また、そこからDVDやCD、デジタル写真を再生する各アプリケーションを起動するわけですが、電源オフの状態からトータルで約12秒でコンテンツが楽しめます。
インスタントモードでデジカメ写真を表示。デジカメで撮影した写真をその場で確認するためのビューワーとしてtype Tが使える。
ソフトウェア イジェクトボタンで、家電感覚の使い勝手と省電力を実現
新type Tのキーボード上部には、インスタントモードで使うAVモードボタン、AV操作ボタンと並んで、イジェクトボタンがついている。実はこれ、ソフトウェアで制御することで、光学ドライブのイジェクトをスマートに行うことができる、便利なボタンなのだ。

藤井:従来のノートPCは、光学ドライブの蓋の部分にイジェクトボタンがついていました。そのため、ユーザーはまず最初に手で探って、ボタンが見つからないので、横から覗きこんでボタンを押して、光学ドライブをイジェクトするという面倒なことをしていました。この方式だと、開いたドライブの蓋で指が押しだされるので気持ちもよくない。こんなことをしてるのはPCだけです。スゴ録などの家電製品では、イジェクトボタンが蓋とは別にあって、押すとスムーズに出てきます。これが普通だと考えました。
実際に、イジェクトボタンを押すと光学ドライブの蓋が開くわけですが、電源をオンして1回目のイジェクトのときだけは、蓋が開くまでに少し時間がかかります。これは、どうしてかというと、使っていないときには光学ドライブへの電源を切っていて、省電力に寄与しているためなんです。ですから、1回目のイジェクトのときだけ、光学ドライブの電源をオンにしてから蓋が開くのです。
モバイルマシンには光学ドライブは要らないという人もいますが、新type Tでは使っていないときには、ソフトウェア的にドライブの電源を制御することで、スタミナ性能の向上にも寄与しています。ちなみに、最初からDVDなどのディスクがドライブに入っている場合は、起動時から電源が入るようになっていますのですぐに再生が可能です。モバイルでは、ソフトウェアの工夫でまだまだ便利にできるところがある。これからもそういう部分を追求して行きたいですね。
ディスク未挿入時にはドライブの電源が自動的にOFFで無駄な電力の消費を抑制。
まとめ
オンとオフ、ビジネスとプライベート。type Tとはどんなパソコンかと考えたとき、この2つで求められるモバイルマシンとしての快適さと楽しみ方を追求し、バランスよく実現したモデルだといえるだろう。仕事にも遊びにも1台で存分に使えることを目指し、先進的な技術とデザインが投入された結果、本当に無駄のないモデルに仕上がった。「作り手の側からいうと、やれることは全部やり切ったと胸を張れるモデルだ」と商品企画担当の楡井は語る。使って感動し、見て感動するモデル、それが新type Tである。ぜひ、手にとってみて欲しい。そして、快適と感動を持ち歩いて欲しい。
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