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新 type Tのキーボードは、単に美しさを追求しただけのものではない。斬新なデザインをもちながら、毎日酷使される入力装置というキーボード本来の目的に十二分に応えるために、打ちやすさと同時に高い堅牢性をかね備えているのが特長だ。このキーボードを実現するために重要な役割をはたしたのが、メカ設計を担当したエンジニアの花村英樹である。デザイナーの井関が要求するデザインを裏側で支え、実現させた技術について花村はこう語る。 花村:新 type Tのキーボードでは、従来のVAIOノートのキーボードには見られなかった、新しい構造を採用しています。 キーボードパネルとキーボードを熱で溶着して一体化し、それをパームレストに取りつけています。キーボードには複数の小さな穴が空いていて、パームレストには小さなフックがあり、双方をスライドして入れこむことにより複数のツメで強固に密着する構造になっています。このように、薄い部品同士で支えあう構造にすることで打鍵時のキーの反りを抑え、厚みを増やさずにキーボードの剛性を向上させました。 |
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初代バイオノート505のコンセプトを継承した新 type Tのシリンダーデザインは、液晶ディスプレイを支えるヒンジとバッテリーが一体化しているのが特長だ。もちろん、単なる継承だけではない。現代のデザインとしてさらに進化しているのが、ヒンジの線が1本しかないデザインになっている点である。これによって、ヒンジが消えてしまったように見える、非常に無駄のないシンプルな仕上がりとなっている。このシリンダーデザインの秘密について、花村はこう言う。 花村:この部分については、実はバッテリーの形状を工夫することによって、従来は2本あったヒンジ部分の隙間を1本にしています。これによって、ヒンジとバッテリーが融合したシリンダーデザインを実現しています。具体的には、ヒンジや線材を納めるために必要なスペースがどのくらいなのかを割り出して、この構造が本当に成り立つか検証しました。そこから、いろいろとアイデアを出していって、バッテリーをある角度で斜めに着脱する構造にすることで、デザイン通りのものが実現できました。ちなみに、ヒンジ自体には、径が非常に小さい新開発のものを使っています。 |
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新 type Tのシリンダーデザインにアクセントを加えているのが、左右の端にある電源ボタンとDCコネクターである。これによって、電源・バッテリーに関連した部分が、1本の芯にスッキリと納められており、強いテーマ性を感じさせる形状に仕上がっている。特に、注目して欲しいのは電源ボタンだ。電源をオンにすると、宙に浮かぶ透明な光の芯が出現するという、幻想的な世界が出現する。デザイナーの井関のこだわりと、設計の花村の技術の融合から生まれた“逸品”だ。 花村:電源ボタンは、非常に時間と労力をかけて実現した部分のひとつです。通常のLEDだと、グリーンといっても実際には黄色っぽい薄いグリーンになってしまうのですが、デザイナーの井関は、「違和感があるので、どうしてもエメラルドグリーンにしたい」と(笑)。そこで「いかにキレイに光らせるか?」にこだわり、新開発の高輝度LEDを採用しました。それに加えて、導光板や拡散板といった複数の部品を使って、まるで液晶ディスプレイのバックライトと同じようなメカニズムを採用することで、美しいエメラルドグリーンの光を実現しました。究極のこだわりを投入したことで「ユーザーの感覚に訴える、エモーショナルなPC」にふさわしい電源ボタンになったと思います。 |