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新 type Tは、デザインおよび技術の両面で、特筆すべきポイントを数多く備えた1台である。その中でも、特にユーザーを魅了するであろうデバイスが、目映いばかりの美しさを持った液晶ディスプレイだ。VGN-TXシリーズではLEDバックライトを採用することで「より薄く」を実現した。続く、VAIO type Gでは「より軽く」を追求しながら、消費電力を抑えてスタミナ(バッテリー駆動時間)を伸ばした。そして今回の新 type Tでは「もっとキレイな画面」を目標とし、明るさと色をさらに追求した。液晶ディスプレイを担当したエンジニアの藤田清人は、その画質についてこう語る。 藤田:新 type Tの液晶ディスプレイは、クリアブラック液晶にさらに磨きをかけて、NTSC比で72%以上の色再現性を達成しています。従来はVGN-TXシリーズで50%ぐらいでした。実際の画面を見ていただければ、その画質の向上ぶりがわかると思います。ここで問題なのが、モバイルPCの場合はスタミナに影響するため、消費電力を増やさずに、いかに輝度を確保するかがポイントになるという点です。デスクトップPC用の液晶ディスプレイでは、カラーフィルターを濃くして、バックライトの光源を増やせば、色も濃くなり輝度も簡単に増やすことが可能ですが、バッテリー駆動を前提に設計するモバイルPCでは、その方法が使えません。ここが、今回の開発で最もハードルが高い部分でした。 |
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新 type Tでは液晶の輝度がVGN-TXシリーズから20%も増えている。それを実現するための“土台”となったのが、type Gで藤田が追求した低消費電力の技術である。ただし、新 type Tは色を濃くしたため、それだけではまだ明るさが足りず、迫力のない絵になってしまう。そこで、藤田が次にトライしたのが、LEDから出ている光を可能な限り減らすことなく前面まで持ってくることで、明るさをさらに稼ぐということだった。 藤田:まず、バックライトの光源として使っているLEDは、日進月歩で進化しているデバイスなので、最新のものを惜しまずに投入しました。次に、反射シート、画面全体を均等に光らせるための導光板、光を集光するためのプリズム、LEDから出てきた光を均一にするための拡散シート、そして前面にある液晶セル……。これら、液晶ディスプレイを構成する個々の部分で、どれだけ光をロスしているか? それを全部計算して、現在の形状や部品、組み合わせが本当に最適なのかを徹底的に検証しました。それを元に、構成部品ごとに試作品を何枚も作って、最適なものを追求したのです。その結果、VGN-TXシリーズと同じ電力を投入した場合には輝度が1.8倍という、 明るいバックライトができあがりました。 |
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こうしてスタミナを損なうことなく輝度を大幅にアップし、モバイルPCとしてかつてないほどの高い色再現性を実現したtype Tの液晶ディスプレイが完成した。デモンストレーションで、実際にフルーツや肉などの食材のサンプル画像を見せたところ、全員が口々に「おいしそう」という感想を述べたと言う。また、人物の写真もこれまでにないほど「美しい」。瑞々しく躍動感に溢れる画質を実現した、さらなるこだわりの技術について藤田はこう語る。 藤田:色の表現をよくするために「ガンマカーブ」と呼ばれるガンマ(明るさの特性値)の階調を調整しました。すべての階調で最適な色が出るように調整が可能な回路を内蔵しており、今回開発したパネルでもっとも美しく見えるように、ガンマの作りこみをしたのです。パネルにあわせた最適な色が出るようにチューニングを施したことで、肌のような中間色が非常にキレイに出るようになりました。お客様には、ぜひ販売店に足を運んで、実際の画面を見てほしいですね。特に、ご自分で撮ったデジカメ写真を表示して見ると、きっとその美しさに驚くと思います。色の素晴らしさが呼ぶ感動を、ひとりでも多くの方に体験してほしいです。 |
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