本文へ

製品情報>“VAIO”>商品ラインアップ>開発者インタビュー>type G 開発者に聞く>07 QA Test

開発者インタビュー / InsideVAIO type G 開発者に聞く
07 QA Test
笠井孝史写真  PC非動作落下=90cm、PC動作落下=72cmの品質試験を実施 厳しい品質試験で最高クラスの堅牢性を実現
さまざまなビジネスシーンを想定した数種類の落下試験や、ハードの設計者が悲鳴をあげるような厳しいひねり試験など、高い基準を設定して堅牢性を追求しました。
新たな試験機の開発からスタートした堅牢性の追求
堅牢性の追求。これこそがVAIO type Gに課せられた最大のテーマだった。ビジネスでのハードな使用に耐える高い信頼性を獲得するために実施されたのが、かつてないほど厳しい品質試験だった。非常に厳しい条件を設定し、さまざまな衝撃をマシンに与える。そして、その結果を解析し開発にフィードバックすることで、ハードウェア設計者と一丸となり、type Gを鍛えあげていったのである。品質試験を担当した笠井孝史はこう語る。

笠井:type Gの開発にあたっては、企画の段階からさまざまな関係者が参加しました。普通は、商品企画と設計のスタッフがある程度プランを固めたところで、営業や品質保証のスタッフが加わるのですが、今回は最初の段階からすべての関係者が参加したのです。その中で、最大のテーマが「堅牢性」でした。「堅牢ってなに?」「それは壊れないことだよね」「市場調査の結果、ビジネスユーザーの不満もそこにある」「丈夫なものをつくるには何をすればよいのか?」「それにはどういう試験をするかが重要ですよね」。そんなことを議論する中で、優れた堅牢性・高い信頼性を実現するためには、どんな品質試験をすればよいかが大きな課題になりました。

最初にメンバーの1人からいわれたのが、「平面加圧振動試験はできないのか?」ということでした。当時は、そのための機械がなかったのですが、「機械がないからできません」では、堅牢性を高めることにつながらない。「だったら機械を作ろう」ということになったのです。そこから、メンバー全員のハートに火がついて、「あれもできないの?」「これもやろうよ」と、type Gのための厳しい品質試験のメニューが生まれていったのです。参考までにつけ加えておくと、type T(VGN-TX**)やtype S(VGN-SZ**)などでも、従来の基準よりも一歩進んだ品質試験を行い、高い堅牢性を実現していたのです。「それでももっと丈夫にしたい」という強い想いがインプットされ、開発に参加したメンバー一同の目標になりました。
過酷な加圧振動試験の模様。type Gでは非常に過酷な品質試験を実施することで、120kgfの加圧振動試験や、PC非動作時90cm、PC動作時72cmの落下試験を実現。
厳しい試験の数々の実施で生まれた「高い堅牢性」
type Gの堅牢性をさらに高めるため、新しい試験機を作る一方で、従来の試験基準値より高く設定しました。試作機を作っては試験にかけ、壊れたところを強化するという、その繰りかえしがスタートした。ディスプレイ開閉試験、液晶ガラスの直押試験、振動試験、そして落下試験……と、厳しい試験が実施された。特に落下試験は、さまざまなビジネスシーンを想定した結果、数種類の試験が用意されたほどである。厳しい品質試験の内容を笠井はこう語る。

笠井:落下試験では、自由落下試験など数種類の試験を実施しました。それだけでなく、PCの電源をオンにした状態での「PC動作落下」と、オフにした状態での「PC非動作落下」を分けて行っています。ビジネスでモバイルPCを持ち歩くとき、PCはどこにあるかを考えると、カバンの中か小脇に抱えているかのどちらかです。「小脇ってどのくらい?」と考え、そこから90cmという数字が出てきました。そこで、PC非動作落下は90cmで実施しました。また、PC動作落下の場合はデスクでPCを使っているときに落とした場合を想定しました。そこで、JIS規格になっている事務机の高さである72cmという数字が出てきた。その結果、PC動作落下は72cmという、従来にない高い目標値で実施しました。

落下試験がスタートして、当然のことながら最初はあちこち壊れました。ただ落としているだけでは何もわからないので、高速度カメラを導入して実際に落としているシーンを撮影し、その映像をもとに「どこが吹っ飛んだ」とか「どこが弱い」という解析をしながら、強化すべきポイントを見つけました。単に丈夫にするだけだと、厚くて重くなってしまうので、薄くてクラス最軽量という目標を維持したまま、同時に堅牢性も追求しました。

他にもさまざまな試験を実施していますが、type Gのために試験機を開発した非常に厳しい試験を、最後にご紹介します。それはひねり試験と呼ばれるものです。どんな試験かというと、10kg程度の力で1点を押すことで、4〜5cmぐらい筐体にひねりを加えるという、過酷な試験です。ハードウェアの設計者が「これだけは何回やっても嫌だ」といったほど、見た目だけでなく、実際にマシンにかかる力も非常に厳しい試験です。このような試験にかけても、試験の後に電源を入れて正常に動作するという、非常に高い堅牢性を実現しました。

これは、基板が曲がるほどの状態になっても、はく離をしないような基板設計がなされたからこそ達成した結果ですし、3面マルチカーボン構造などの技術によって、頑丈な筐体を設計したからこその結果です。試験の動画も公開しますので、ぜひご自身の目でtype Gの堅牢性を確かめてください。ビジネスでも十二分に信頼できる堅牢性を備えた1台だと、自信をもっています。品質保証の観点からは、いままでの最高のモデルが誕生したと自負しています。
※品質試験は、弊社の規格に基づいて特定の環境の下で行われています。本製品の品質試験は無破損・無故障を保証するものではありません。また、HDDのデータを保証するものではありません。
品質試験動画へ
まとめ
プロジェクトチームが一丸となって、「堅牢・軽量・スタミナ」という3つの目標を達成したビジネス専用設計のモバイルPC、それがVAIO type Gだ。堅牢性では、PC非動作落下=90cm、PC動作落下=72cmの品質試験を実施してする最高水準の堅牢性を実現。軽さでは、12.1型液晶モデルとして世界最軽量の約898g(光学ドライブ非搭載、バッテリーパック(S)搭載時)。スタミナでは、約12.5時間(バッテリーパック(L)、インテル Core Solo プロセッサー搭載時)を達成。毎日のビジネスで使用する際のストレスを大きく解消する1台となった。type Gがもたらす圧倒的な安心感、そして快適な使い心地を、あなたのビジネスに加えて欲しい。
開発者インタビューのトップへ TOP 1 2 3 4 5 6 7
ページトップへ