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type R 開発者に聞く

02 Design
湯川 修平機構設計

作業に没入できる快適環境を構築し、機能美さえ漂わせるΣ(シグマ)デザイン

従来の初心者向け一体型といえば、リビングに置いたり女性の部屋に置いても違和感のないデザインが好まれてきた。それに対して今回のtype Rはそれとはまったく異なるコンセプトで作られている。それはノイズレスやアクセシビリティを特徴とするΣ(シグマ)デザイン、大胆で斬新な排気機構に表れている。


一体型でありながら高級感を演出したモニターノイズレス

type Rを前から見ると、液晶ディスプレイと見分けが付かないほどだ。とてもPCには見えない。液晶パネルの横には縦長スピーカーが収められているのだが、注意しないと気がつかないほどだ。これは余計なもの、邪魔なものを消し去る「ノイズレス」に徹底的にこだわった結果のデザインである。そして明らかに入門機とは趣の異なる、黒色で引き締まったtype Rが生まれた。メカを担当した湯川修平は、ノイズレスへのこだわりを次のように語る。

湯川: 前面の顔は液晶ディスプレイ、それがtype Rのデザインコンセプトです。だからこのような狭額のミニマムデザインにしたかったのです。スピーカーも新たに極細のものを開発し、各種スイッチやコネクタはすべて側面に移しました。前面は黒色の塗装で引き締まったデザイン、背面は対照的にアルミで知性と高級感を演出しています。お客様の目の前には、液晶ディスプレイとロゴだけが目に飛び込んでくるような、シンプルで仕事に没入できるようなマシンにしたかったのです。

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前面から見ると、ディスプレイと間違えるほど余計なものがないシンプルさ。

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動画を全画面で再生すると、ソニーロゴも自動的に消灯する。これもノイズレスにつながる考え方だ。


Σ(シグマ)デザインによるノイズレスとアクセシビリティの両立

ノイズレスを採用することには短所も考えられた。それはアクセシビリティである。スイッチやコネクタ類をPC前面に配置しないことは、お客様から直接は見えないことになり、使い勝手が落ちてしまう。そのデメリットを解消したのがΣ(シグマ)デザインだ。type Rを上から見下ろすと側面がΣ状に傾斜が付いていることに気づく。この傾斜があることで、お客様がちょっと頭を傾けるだけでスイッチやコネクタ類が見え、操作しやすくしている。

また、PC本体は回転する機構を有しており、容易に側面にアクセスすることも可能だ。この機能美を感じさせるΣ(シグマ)デザインが、シンプルで美しいノイズレスなデザインとユーザーにとっての使いやすさを実現させたのである。

湯川: Σ(シグマ)デザインは、ノイズレスなデザインと使いやすさを両立させる構造です。右の側面には使用頻度の高いオプティカルドライブとスイッチ類、左にはカードスロットなどの接続系、そして常時つなぐものは背面に収めています。またディスプレイの調整機構にも力を入れて開発しました。スイベル(回転)は左右 45 度、チルト(傾き)は15度からマイナス5度まで。下から見上げるような姿勢でも使用できます。高さ調整は6cm。プロユースを前提にしているので、長時間の使用でも快適に使えるようにと考えました。

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側面部分が傾斜が付いて凹んでおり、Σ状になっている。

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回転させると側面のスイッチ類に容易にアクセスできる。


ハイパフォーマンスの表現

type Rが持つデザイン上のもうひとつの特徴は、強固なアルミフレームと廃熱部のブロックの造形である。アルミ部分は、AV機器などでも用いられるアルミヘアラインの処理が施され、髪の毛のように流れる繊細な模様が浮かび上がり、見るものに高級感や高品位な印象を与える。

湯川: このアルミヘアラインの部分には、メッキ加工とは異なり手間のかかるセットアルマイト処理をして、高い堅牢性を実現しています。アルマイト時に色差が出ないように部品の組み合わせを管理しています。また多くのCNC加工処理により、複雑な形状を金属の高級感で実現しています。

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耐久性をたかめながら高級感をあわせもつアルミフレーム。


大胆な放熱のためのデザイン

type Rを上、または下から見ると驚くのが通気口だ。上面、底面のほとんどの面積を通気口にしめられている。それは高性能な部品を数多く使用すれば発熱量も増えるからだ。効率よく冷却するために新type Rでは、底面の大きな口からフレッシュな空気を取り込み、内部の熱を上面から排気するというシンプルな構造だ。

湯川: 底面部には部品を重ね合わせて吹き抜け構造をつくり、フレッシュな空気をたくさん取りこむようにしています。背面カバーの中には、全面に空気の循環を防ぐリブがあります。下から吸ってそのまま上から出すというシンプルなコンセプトをしっかり実現することにより非常に効率の良いシステムができたと思います。過去一体型の放熱設計とtype R 伝統の吹き抜け構造を盛り込んで、コンパクトな筐体が実現できたと思います。

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底一面の吸気口から新鮮な空気を大量に吸い込む。

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上面全体も排気口になっていて、筐体内の熱を効率よく排出する。 


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