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開発者インタビュー / InsideVAIO type A 開発者に聞く
04 Display
宮野晃宏写真 バックライトにLEDを採用することで実現した260dpiのドットピッチを誇る4.5型ワイド液晶ディスプレイ!宮野晃宏(電気設計)
蛍光管だったら本体の横幅はもっと大きくなっていたと思います。
歴代のVAIOの中で一番高精細なドットピッチで美しい表示を実現
type Uには4.5型のワイド液晶ディスプレイが搭載されている。注目して欲しいのは、このサイズで1024×600ドットの解像度を備えていることだ。あえてワイド液晶を採用したのは、Windowsを快適に使えることへのこだわりからだ。最近は横方向が800ドットのディスプレイだと表示しきれないWebサイトも増えてきた。このような背景からも、1024ドットは譲れないスペックだったと言う。もちろんそのためには、クリアしなければならない技術的な課題も山積だった。電気設計を担当したエンジニアの宮野晃宏はこう語る。

宮野:新type Uで採用した液晶ディスプレイは、4.5型のサイズで1024ドットの解像度を実現するために、ドットピッチが265dpiと歴代のVAIOの中で一番細かくなっています。ちなみに、以前のtype U(VGN-Uシリーズ)はドットピッチが200 dpiでした。いかに高精細になったかは、実際に製品を手にとってもらうと、ひと目でわかると思います。写真などの静止画のデータを表示すると、液晶というよりは紙に近い感じの高品位な表示が実感できるはずです。Webを閲覧したり OfficeやPDFなどのデータを表示した場合も、クッキリとした表示には満足してもらえるでしょう。

ただし、作り手側にはひとつ問題がありました。ドットピッチを細かくすると画面が暗くなってしまうのです。ちょうど網目が詰まるような感じになるので、バックライトの光が抜けてくる部分が狭くなるのが原因です。そこで、その分の明るさを確保するために、カンデラ値の基準をアップするわけですが、明るくするとバッテリー駆動時間に影響するので、省電力の工夫が必要になります。そこで、これらの問題を一挙に解消するために、type UではバックライトにLEDを採用しました。

通常、蛍光管のバックライトには1000Vぐらいの高い電圧が必要で、そのためにインバーターという回路を組み込みます。LEDだとインバーターが不要になるので、その分だけ電力的には有利になるのです。また、インバーターを収めるスペースが不要になるので、小型化の面でもメリットがあります。もし、蛍光管を採用していたとしたらインバーターが収まらずに、type Uの横幅はもっと大きくなっていたと思います。この辺は、これまでのVAIOで培ってきた省電力化・小型化のノウハウが活きました。

それと今回は、小型化のために液晶ディスプレイを制御するための基板で、はじめての試みを行いました。ひとつの小さな基板の上に、通常は別に設計するタッチパネルの回路やコネクター類までを盛り込んだのです。この基板は、液晶パネルの背面に入っている非常に薄いものなのですが、最初はベンダーに「できない」と言われたのを、先方のエンジニアと膝をつきあわせて設計することで実現しました。何を隠そうtype Uは、回路的にはtype Tと同等のものが入っています。それを小型化するために、このような努力を随所で行いました。
VAIO type Uに搭載された4.5型のワイド液晶ディスプレイ。1024×600ドットの解像度と265dpiのドットピッチを備 え、高精細で美しい画面表示を実現している。
液晶ディスプレイの上部に注目。左には指紋認証センサーが、中央には0.3Mの「MOTION EYE」カメラが組み込まれている。セキュリティーやコミュニケーション機能も充実。
液晶ディスプレイをスライドした状態の背面。中央にある2本の溝はスライド機構のためのもの。その右にはスピーカーが、左には中央には1.3Mの「MOTION EYE」カメラを搭載。
05 Cooling
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