本文へ

製品情報>“VAIO”>商品ラインアップ>開発者インタビュー>type U 開発者に聞く>06 Software

開発者インタビュー / InsideVAIO type U 開発者に聞く
06 Software
市川英志写真 モバイルグリップとタッチパネルという2つの操作方法を「VAIOタッチランチャー」と「VAIOタッチコマンド」で快適に!市川英志(ソフトウェア)
小さいマシンゆえの細かい操作の問題をソフトウェアで解消しました。
画面を2つ重ねる技術を使って拡大しても美しいズーム機能を実現
VAIO type Uには2通りの操作方法が用意されている。ひとつは本体を両手で握り、キーボードとポインティングデバイスで操作する、モバイルグリップ・スタイル。もうひとつは、スタイラスペンや指先を使ってタッチパネル(液晶ディスプレイ)を直接操作する、ペン操作スタイルだ。もちろん、type Uではどちらのスタイルでもストレスなく操作ができる。そのための機能を提供したのが、ソフトウェア担当の市川英志だ。手のひらサイズのマシンを快適に使うためのソフトウェア環境について市川はこう語る。

市川:VAIO type Uは、片手でつかめるほどの小さなマシンです。液晶ディスプレイが4.5型と小さいだけでなく、キーボードやポインティングデバイスも小さいので、そのままだと普通のPCと比べて細かい操作がやり難いという面があります。たとえば、アプリケーションの起動などの操作がそれですね。4.5型の画面に1024×600ドットの高解像度を組み合わせると、文字やアイコンが小さく表示されるので、出先でサッと取り出して、目的のアプリケーションを素早く起動するといったことが難しい。そこで、type Uではソフトの力を使ってこの問題を解消しました。

ひとつは「VAIOタッチランチャー」と呼ばれる機能で、本体の左側にあるボタンを押すと、よく使うアプリケーションを9個まで登録できるランチャーソフトが起動します。ランチャーの画面が表示されたら、タッチパネルを使って任意のソフトウェアボタンを指で選択すると、登録されているアプリケーションを素早く起動することができます。このランチャー画面には、オーディオのボリュームや画面の輝度を調整するコントローラーも表示されるので、音楽や動画を再生する場合にも便利ですよ。
アプリケーションランチャーの画面。左側のグリップ部の一番下にあるボタンを押すと、この画面が瞬時に呼び出され、よく使うアプリケーションを素早く起動できる。
VAIO type Uではこのように画面を90度回転させ、縦長表示に切り替えて使う機能が用意されている。この切り替えもソフトウェアで制御している。

もうひとつは「VAIOタッチコマンド」と言う機能です。これは「SonicStage」や「Internet Explorer」などのアプリケーションを使っているときに、タッチパネルを右へなぞるなどの、簡単なアクションを画面上で行うことで、あらかじめ登録しておいたよく使う操作を実行できるというものです。一部のウェブブラウザ等では、マウスの右ボタンを押しながら左右へ動かすなどのコマンドを入力して、離した時にそのコマンドに割り当てられた動作を実行する、マウスジェスチャという機能が使われていたりします。それと同じようなことを、タッチパネルを使ってできるようにしました。

また、type Uでは小さい画面でも快適に情報を表示できるように、3倍までの拡大が可能なズーム機能を搭載しています。この機能は「小さい画面なのでズームがあると快適だよね」と、デザイナーが言い出したアイデアなんです。ただし、従来のズーム機能は、解像度を一時的に下げることで実現しているため、拡大するほど画面が汚くなり使い勝手もよくありませんでした。ズームから復帰すると、デスクトップのアイコンの位置がバラバラになっていたりして、不便な思いをすることもあるなど、決して満足のいくものではありませんでした。

そこで今回は、いかにスムーズで気持ちのよい動きを実現するか? そして、拡大しても美しさが損なわれないズームを実現するか? この2つをテーマに開発しました。動きに関しては、DVDレコーダーの「スゴ録」のメニューで採用されているクロスメディアバーなどの動きも参考にしました。また、拡大してもきれいに表示するための工夫としては、Windowsの画面の上に別のレイヤーを重ねる感じで、ズーム用の画面を被せて表示するという技術を開発しました。これによって、ハードウェアのカッコよさに負けない、リアルでカッコいいズームが実現できたと思います。更にズーム時の動作モードをハンドカーソルモードとマウスカーソルモードに分けた事により、ズーム時の操作感を格段に向上させています。

右側のグリップ部にあるズーム機能のボタン。「+」を押すと段階的に3倍まで画面が拡大し、「−」を押すと逆に画面が縮小し標準画面に戻るようになっている。
ズーム機能を使う前の標準状態の画面。拡大をするにはここで「+」ボタンを押すだけでよい。


ズーム機能を使って3倍まで拡大した画面。このように拡大しても解像度が低くなって表示が見難くなることがない。リアルでスムーズなズームは一見の価値あり。
07 GUI
開発者インタビューのトップへ TOP 1 2 3 4 5 6 7 8 次のページへ
ページトップへ